雨飾山(2011年10月23日)

 雨飾山への挑戦は、今回で3回目だった。いずれも晩秋に計画し、山小屋まで予約したものの雨の天気予報に、2回とも中止をしてしまった。今回、職場のワンゲルのツアーとして7名で企画をすすめていたが、1ヵ月前に山小屋を予約すると満員で断られ、南小谷側の山田旅館がなんとか予約を受けていただいたのでありがたかった。しかし、前日の天気予報が雨、「3度目もだめか」と思いつつ、今回は人数も多く、旅館を予約したために、「温泉と紅葉を楽しむツアーでもしかたないか」という気持ちで「サンダバード」から「はくたか」を乗り継ぎ、糸魚川から駅レンタカーで山田温泉にむかった。

 次の早朝の行動を考え、登山口まで行ってみることにする。林道からみる景色は素晴らしいものだった。まさに錦絵の世界である。夕闇が迫ったことでいっそう紅葉を際だたせていた。しかし、寒い、この季節の信州は日が暮れると本当に寒い、早々に山田旅館に戻り、紅葉の絶景をみながらの露天風呂、歴史のある温泉旅館らしい木造の3階建の建物も風情があっていい、料理も山の中ではあるがなかなかのもので、登る前から宴会モードで楽しく飲み会が盛り上がった。気になるのは天気だった。

 深夜、水音に目が覚め、「やっぱりだめか、きょうは観光かな」と思いつつ、リーダーなので、早めに布団から出て、旅館の玄関を出てみた。「星が少ないがみえる。水音は玄関の前の水場とは・・・」と、予定通り、夜明け前に車で宿を出発し、駐車場も確保できた。それでも、マイクロバスや次々とマイカーが上がってくる、さすが、百名山である。

 最初は、清流の流れを沿いに、やがて、山際をまきながら徐々に急な登りとなっていく、ブナは葉が落ちてしまっていたが、うるしやななかまどなどの紅葉はまだまだ楽しめた。

 荒管沢に出たところで、朝食タイムをした、ここからはかなりの急登となった。それでもどんどん高度を稼ぐ、やがて潅木帯となり、尾根に出ると稜線を見通せるようになる。ガレ場もあったが順調にすすみ、1894mの笹平に出た。ガスもかかってきたが、頂上まではもうすぐだ。糸井川からの道と合流し、最後の急斜面を登りきると、頂上だった。すごい人混みだったので、石の祠のある北峰で昼食休憩となった。

 展望は、ガスが通過する合間に、北アルプスなどを眺めることができた。さらに、日本海側はガスっていたものの運よくブロッケン現象をみることができた。しかも、影のまわりに円形の虹までかかっている。大きく手をふると自分だと確認できた。何回は、みたことがあったが、虹まではっきりとついていたのは初めてだった。メンバーのほとんどが「はじめてみた」

ということなので、思わぬおみやげとなった。

 1963mの三角点で記念写真などを撮り、下山をはじめる、稜線したの尾根のあたりから小雨に見舞われたたが、無事下山し、温泉にもゆっくりつかって帰阪できた。列車の時間を勘違いしていて、おいしいすしは食べ損ねるアクシデントも最後にあったが、楽しい山行となった。


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