森と花を満喫した夏の火打岳201181日)

 職場のワンゲルの仲間10名で、火打・妙高の縦走+燕温泉ツアーを企画した。大阪から夜行バスで長野駅では8分で乗り換え、妙高高原駅に午前712分に到着、そこからはリッチにタクシーで笹ヶ峰の登山口まで入る。

 すでにたくさんのマイカーが停まっていた。多くの登山者と混じりながら登り始める。ぶなの森の緑の濃さに圧倒される、本当に豊かな森である。1時間とちょっと緩やかなぶなの森の中を抜け、黒沢を渡ると「十二曲がり」の急登となったが、ジクザクに登るためか地図でみるほどの急斜面を感じずに登れる。しかし、夜行バス明け、平均年齢が60歳に近いメンバーには堪える登りのようだった。「十二曲がり」を登りきると今度は尾根上の急登となった。こっちの方が段差もきつく大変だった。10人のパーティーがかなり前後に差が出てきてしまった。

 少し傾斜も楽になりはじめた、ぶなの森からオオシラビソの森に変わってきた。昨日までの大雨のせいか、足元がぬかるんでいる、深い水溜りもあり、それを避けながら登る、一人の女性が、ぬかるみを避けて石の上を渡ろうとした時にスリップし、転倒してしまった。めがねのフレームがあたり目の上を切って出血(3滴くらいか)、腿も強打したようだ。傷バンと塗り薬で手当をしたが、軽いショック症状なのか足の運びが極端に遅くなった。大沢ヒュッテへの分岐点で、元気なメンバーには高谷池ヒュッテに先に行ってもらう、転んだ女性、ペースの上がらないメンバーはゆっくりと岳樺の林を抜けながら小屋をめざすことにした。

 先行のメンバーは午後1時過ぎに、後続のメンバーも1時半過ぎには到着した。予定より1時間遅れだった。予定ならこれから火打岳を登頂し、明日は妙高に向かって縦走だったが、メンバーの疲れ方、天気もガスが濃く、少しだがゴロゴロと言っているので、早々に縦走を断念し、翌日、火打岳をゆっくりと愉しんで登り、来た道を下山することにした。そう決まれば、高谷池ヒュッテに入り、ワインとビール、焼酎も入り、昼間から宴会モードとなり盛りがあった。夕食はカレーとハヤシライス、福神漬け、パイナップルだったが、おいしくいただいた。小規模な小屋の維持が大変なことを登山者はもっと理解すべきと思った。ヘリの荷揚げは1年に一度、使用済みトイレットぺーパーは担ぎ下りていただいている。池塘の広がる湿原と森の間にある赤い三角屋根のこのヒュッテは最高に素晴らしいところにある。夕飯後には、DVD放映もあり、火打岳の自然も勉強できた。

 翌朝は、自然観察会が開催されるということで申し込みをした。小屋から山頂に向かって、ゆっくりと自然観察、解説を聞きながら、高山植物を愉しむものとなった。講師は、通称つ〜さん(佛教大学・津原重久先生)とおさむちゃん(佛教大学・北川治先生)でした。大変、丁寧な説明で色々と知らないことを教えていただいた。

日本庭園では、ハクサンコザクラ、イワカガミが満開、みつけた花は、ハクサンチドリ、ミヤマコウゾロナ、ハクサンボウフウ、ヨツバシオガマ、ツマトリソウ、オタカラコウ、オオヤマリンドウ、マルバタケブキ、ヒメシャジン、イワイチョウ、コバイケイソウ、シナノオトギリ、ワタスゲ、キヌガサソウ、クルマユリ、ミヤマキンバイ、ミソガワソウ、アザミに似たクロトウヒレン、笹のような葉の裏にひっそりと花をつけているオオバタケシマランは、教えてもらわなければ咲いているのすらみつけることはできなかった。また、ツガザクラ(花冠は鐘形,白い地に紅色のぼかしが入る。萼はくすんだ紅色で無毛)とアオノツガザクラ(花冠は口の窄まった壺形でクリーム色。萼は黄緑色で腺毛あり)、オオツガザクラ(コツガザクラ)( 花冠は口の広い壺形、ややくすんだ淡紅色〜淡橙色。萼片は無毛で紅褐色)が同じところで群生しているのは珍しいとのこと、その特徴などを詳しく教えていただいた
 天狗の庭まで、案内していただいたが、そろそろ時間も限界となり、そこで観察会を終わってもらい、稜線へと急いだ、調子のあまりよくない2人はここで引き返し、下山にそなえることに、残りのメンバーで山頂をめざす、残念ながら山頂はガスに包まれ展望はなかったが、ようやくピークを踏んだ満足感で下山モードに、小屋に戻り、早めの昼食をとり、荷物を整え、下山開始、心配していた怪我もたいしたことなく、全員順調なぺースで予定より早めに下山できた。しかも、燕温泉への車もチャターできた(知り合いのパーティーとすれ違い、車のまわすのをお手伝いした?)

燕温泉では、ホテル花文で温泉とおいしい料理を堪能、翌朝には野天風呂「黄金の湯」と「河原の湯」、宿の露天をはしごして、信越線、特急しなの、ひかり号と乗り継ぎ帰阪した。


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