赤木沢遡行2011717日)

 大阪労山このはな山の会の山行として、北アルプス赤木沢を登りに行く。今回は7人のメンバーとなり、賑やかな山行となった。

3連休であったが高速は順調に走れ、午前3時には有峰林道のゲートに着いたが、午前6時まで締まっているので、車列の中で仮眠する。ゲートが開く頃には、長蛇の車列となっていた。ゲートが開き、折立の駐車場に着くがすでに満杯近くで、早くから並んでいたおかげで、なんとか駐車場内に停めることができた。

1日目は薬師峠まで、天気は上々、荷物はやや重いがアルパインクライミングに比べればそれほどでもない。最初は樹林帯、三角点から森林限界を超えると遠くに太郎小屋をみることができる。「あそこまで行くのか?」という感じは、何回来ても感じる。しかし、久振りの北アルプスの風は気持ちがいい、快晴で厳しい日差しで大変かと思っていたが、お花畑や剣・立山まで見える展望もあり、快適に登ることができた。ボッカ慣れしていないメンバーは大変だったようだが、それでもコースタイム+休憩時間くらいで無事、昼過ぎには薬師峠の幕営地に到着し、一番奥の落ちつけそうな(宴会のできそうな)スペースに2張りのアライの4人天を張った。太郎小屋まで、全員で行き、生ビールで乾杯し、若干の昼寝、夕食はすき焼きと鍋のWメニューを愉しんだ。ボッカをしんどくさせていた原因は、豪華すぎる食材にあったことがわかった。

2日目は、いよいよ赤木沢だ、ところが午前3時起床の予定だったが7人とも漠睡、なんと1時間の寝坊のスタートとなった。それでも朝食は準備していたので、1時間で準備を整え、予定より30分おくれのスタートとなった。薬師沢ぞいの一般路を順調に下降し、コースタイムを短縮し薬師沢小屋に到着、ここで沢シューズ、ハーネスなどの装備を整え、いよいよ入渓する。黒部川本流は水量が豊かで迫力がある。針葉樹林の谷の中へと進む、谷歩きがしばらく進むが、谷が狭まり、函をあらわれる。最初の函は水際を通り抜けれたが、次に連続して現れた函は意外に手強い、高まきや水際のへつり、乗り越しなどではお助けロープを使いながらの突破となった。自分の記憶では右岸をへつった気がしたが(赤い残置ロープもみえたが)、左岸をへつりと高巻きで越えた。結構、手こずり予定より時間がかかったが、無事(ひとりドボンしたが)赤木沢の出合に到着、快晴に恵まれ、水の輝きとビー玉のような青さをいっそう引き立てている。「ここは泳ぐしかない」と自分が先頭を切って泳ぐと、最初はみていたメンバーが次々と泳ぐは、飛び込むは楽しい水泳大会となった。水は冷たかったが、それ以上に爽快感に浸れた。








 ここからは、景色が変わる、針葉樹林帯から森林限界に入る。沢の両脇はお花畑、その真ん中に白いしぶきをあげる段々の滝、空は青く、最高のローケーションの中の沢登りとなった。2度目ではあったが、この感動に胸は高鳴る、しかも、ほとんどの沢が直登できる。この爽快感は最高である。写真をとったり、はしゃぎながら登っていく。
























 30mの大滝手前で先行
3パーティーに追いつく、1パーティーが滝の手前のかなりやばい壁に取り付いている。高巻きは、それよりかなり手前の小さな空ルンゼ沿いに踏み跡もしっかりあるのに・・・

先行パーティーを抜き、先に高巻きに入る、しかし、尾根を乗り越したところで上に登る間違った踏み跡に入って行き詰まり、後続のパーティーがトラバースに先に行ってもらうことになってしまった。トラバースだったかなと思ったが、滝口がまだ上にみえたので登ってしまったが、見えたていたのは滝口の一段上の滝だったことがあとからわかった。

そこから上は、もう大きな滝もなくなる、前回は黒部五郎岳よりに抜けて帰りに苦労したので、今回は、赤木岳と北ノ俣岳の間にでるように2万5千分の一の地図で確認し、念のため,目標となる2俣の緯度と経度を割り出しておき、現地ではGPS機能付き無線機で緯度と経度で確認し、マップポインターで地図上でも確認する準備をしていた。最初の2俣で先行2パーティーが地図を出して思案しているようだった。予定通りにGPSでみると予定より一つ手前であることが確認できたので、先に進む、すると右側の壁からわずかな水が滝のようにおちている。とても大きな支流にみえなかったが(前回は躊躇し、先にすすみえらいことになった)GPSで確認するとズバリ北緯362441秒、東経1373138秒、標高2237mと確認できた。迷わず壁を登ってみると、上はかなりしっかりした支流だった。2300mを越えたあたりで右の尾根にお花畑を登っていけば出れそうなので、少し早目に沢から離れ、お花畑の中をすすみ、遡行は終了とした。



 そこで沢シューズを脱ぎ、登山靴やアプローチシューズは履き替えた。すこしゆっくりと景色を愉しんだ。みんな満足そうな顔をしていたので、この企画をすすめた自分としては嬉しかった。

そこからは、お花畑の中を這松帯を避けながら稜線をめざした。這松漕ぎもせず、あと少しで稜線まで迫ったものの雪渓が目の前を塞ぐ、遠回りをしようと迷ったが、一番短い雪渓を登ることにした。登山靴のメンバーがキックステップで、足場をつくりながら進む、思わぬところで雪まみれにながら、やっと稜線上の縦走路に出ることができた。

もう一度、きょうの成果を景色をみながら確かめ合った。しかし、そこからが長い、北ノ俣岳へは緩やかだが長い登り、そして、太郎小屋へは長い長い下りが待っていた。8時間を越え、疲れはじめた身体には堪えるが、頑張って歩くしかない。ようやく午後4時半過ぎ、行動時間は12時間近くなっていたが、太郎小屋に到着し、生ビールで乾杯してから、幕営地に戻った。天気に恵まれた至福の沢登りだった。

715日 森之宮駅集合21:00−マイカーで立山へ

716日 林道ゲートに並び仮眠−折立−薬師峠幕営地12:10

717日 薬師峠5:10−薬師沢小屋7:20−赤木沢出合9:20−遡行終了12:40−稜線14:00−北の俣岳14:40−太郎小屋16:25ー薬師峠17:30

718日 薬師峠7:20−折立11:35−帰阪20:30


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  大阪労山 山野井泰史さんの講演会の開催案内(11月12日)