バックカントリーレッスンに参加(2011年1月8日)   岩岳から天狗原・ひよどり峰方面の展望

 1月の連休、山スキーをしたいがパートナーが見つからない中で、偶然、白馬岩岳スキースクールで、バックカントリーレッスン&ツアーが開催されているのをみつけた。会の仲間に連れていってもらっていた山スキーだったが、一度、レッスンを体験してみるのもいい機会と思い参加した。
 交通機関は、大阪からスキーツアーバスを利用、宿は民宿一覧で電話したところ「、1人でどうぞ」と言ってくれた福島館(1泊2食+リフト券+900円ランチ券で9500円、早朝着から夜行バス出発まで部屋も無料で利用させてくれた親切なお宿)、そして、8日にスキー場内でのバックカントリーレッスン(8500円)、9日はガイドツアー(10000円)に参加した。
 バックカントリーレッスンは、若干の新雪もあり、スキー場の未圧雪のバーンでのスキー操作基本練習、午後からは通常のバーンでの基本練習などがされた。自分にとっては今シーズンはじめてあり、なかなかうまくできなかった。生徒7人に、コーチ1名だったが、自分以外はテクニカルや準指導員、2級などみんなスキー技術には長けているメンバーが多かった。(実際にバックカントリーを経験している方は3名くらいのようだった)
 基本のスキーがまったくなっていない自分は劣等生になってしまった。唯一、コーチが「慣れてますね」と言ってくれたのは、樹林の濃い未圧雪の谷を下った時に転倒せずに通過できた時だった。後日のツアー後に休憩しているときに、コーチがおっしゃるには「午前の滑りではツアーの参加をお断りしようかと思っていました」と告白されてしまいました。まあ、ごもっともなことと思いましたが、下手なりにこの間の山スキー経験が蓄積していたことは、会の仲間に感謝したいことでもありました。
 さて、2日目はガイドツアー、参加者はここのツアーの常連の女性2名と自分の3名、水越コーチの運転で栂池スキー場に移動、そして、ゴンドラの終点からさらにもう一本リフトを乗ったところから林道入り口に進む。ここでシールをつけて、ハイクアップスタート、冬型が予定より早く強まってきたのか、すでに雪が強く降っていた。それでも、ボーダーを中心に、たくさんのパーティーが入山し、大行列状態、林道には幅は30センチの高速道路ができていた。行列にしたがい、水越コーチを先頭にすすむ、谷を横切る時には雪崩れへの警戒で「間隔をとって」などさすがプロガイドは心強い、1時間くらいトラバース気味にすすむと林道からはずれ(多分、栂池自然公園あたり)、尾根伝いの登りとなる。途中で、予定していたヒヨドリ峰方面の入山が多いので、天狗原にコース変更をした。こちらは、まだ先行パーティーもすくなく、そこからは吹雪の中の樹林がややうすくなっているところをすすむ、風もきつくなってきて、傾斜も緩いところ、急なところとでてくる。出発して約2時間、傾斜が緩くなり、天狗原の入り口あたりで、「きょうはここまでにしましょう」と、連れてきてもらっているので、地形もよくわらず、天気は悪くなる一方で、「よかった」と思った。
 滑降となるわけで、シールをはずし、準備を整えるとコーチはやや谷筋に入る、そこでピットをつくり断層検査、「まったく問題なしです。最高の状態です。さあ、滑りましょう」、傾斜はさほどではないが太ももを超えるパウダー、コーチが軽快に雪煙に姿が埋もれえるほどのパウダー、「こんなところはあまり経験がない、こけたら起き上がるのが大変だろうな」と思いびびりながらゆっくりと滑る、なんとかターン?もできて1本目は無事に、他の女性のメンバーは軽快にパウダーを楽しんでいる様子、「あれくらいはすべりたいな!と思った。
2本目はやや右の尾根にもどりながら、すべる、ここではついて転倒、足がからまり、直すのに時間がかかった。(コーチ、2人の女性を待たしてごめんなさい)、3本目は傾斜のゆるく、木もあまりなく、少しは楽しみながら無事滑れました。あっという間に、おいしいところが終わるのが山スキーの魅力?あとは濃くなった樹林の間を縫って滑る、何度か転びながらもついていき、林道に到着、そこからは高速道路のようなシュプールを伝いにゲレンデへ、途中で「登り返して、ハイカットして滑りますか」の問いにはみんなはっきりしない。滑りたくもあり、もういいって感じだった。結局、時間は早かったがまっすぐ下山した。食堂で休憩したのは12時半過ぎ、3時間足らずのツアーだったが、充実感はあり、楽しい経験だった。
 翌日、20年ぶりにスキースクールに入り、上田コーチに一日レッスンを受けた。最初は、やはりバランスがうまく乗れず、コーチ曰く「突っ立った感じ」と言われた。それでも、レッスン終了時には「別人のような滑りになりましたね」と声をかけてもらえた。なんせ、カービングスキーを履きながら、その特性を生かして滑ることを知らなくって、このレッスンではじめて内足加重で曲がっていく感覚を感じた。大発見だった。49歳にして、再び、スキー基礎練習に励むとは思っていなかったが、「もう少しちがう世界を感じてみたい」とも思い、スキーを好きになりはじめた貴重な連休となった。
 岩岳、最後の夜は、岩岳温泉(割引で400円、小規模だがいい湯)にゆっくりつかり、スキー学校の元校長が営む居酒屋「くいくい」でおいしい日本酒「〆張鶴(しめはりつる)」とおいしい料理を堪能しました。水越コーチをはじめ、お世話になった岩岳スキー場のみなさん、ありがとうございます。 

  山岳ガイド 水越健太 http://www.dcn.ne.jp/~kenta/
   SAJスキー指導員、白馬岩岳スキースクール勤務 



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