北岳バットレス登攀【下見】2010813日】


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13日 芦安駐車場 6:30=広河原7:30−御池小屋BC9:50

バットレス偵察出発10:45−二股11:15−バットレス沢出合12:20−下部岩壁基部13:00−御池小屋BC15:10

814日 天候不良のために大樺沢から北岳山荘へ

 御池小屋5:50−八本歯のコル8;20−北岳山荘幕営地9:30

815日 北岳山頂を越え、草すべりより下山

 北岳山荘 4:50−北岳山頂5:55−御池小屋8:10 9:00−広河原11:00


大阪労山・このはな山の会で、北岳バットレス登攀を計画、当初7人で予定していたが、台風の通過のため、日程を1日延期
(2日延期組に分かれ) し、3人でめざすことになった。

広河原から、テント、食料、登攀具のフル装備でベースキャンプ(BC)となる御池小屋をめざす、久しぶりのボッカに大汗をかきながらも、2時間半のコースタイムで到着、すぐに、テントを設営し、さっそく、明日のアタックに備え、バットレス下部岩壁を偵察に出発する。二股までは、水平なトラバースの道、そこから大樺沢左俣の一般道を登る、トポでは15分くらいとあったが、なかなか時間がかった倍ほどの時間で、やっとバットレス沢出合、目印の沢の中の大岩、その後ろの壁にレリーフがあり、間違えることはなかった。沢の左側の尾根の中に、踏み跡があった。急で木や草をつかみながら小一時間で、お花畑に出る。雪渓がまだある、その上に下部岩壁が大きく横に広がっていた。雪渓は急で、基部との間にシュルンドもあり、かなりやっかいな感じだった。今回は、下部フランケからDガリー奥壁を第1候補にしていたので、Dガリーに向かいたかったが、C沢上部の急な雪渓はトラバースできそうにないので、雪渓の下を大きく迂回してからC沢とD沢の間の草付きに登り返した。するとうまく、十字クラックからDガリーあたりまでの取付きの雪渓が切れていて、基部に立つことができた。しかし、台風通過以後も、不安定な天気続きのためか、十字クラックは水が滴れている、Dガリーも所々光ってみえる。下部のグレードはそう高くないが、その分、支点が少ない、そこが濡れているとかなりリスクがある登攀になりそう。取付き、下部岩壁の概念は確認できたので、そのままC沢とD沢の尾根の中にある踏み跡を下降した、簡単に一般道に戻ることができた。トポに記されていなかったが、十字クラックからDガリーの間を登るなら、バットレス沢(B沢)ではなく、それを通過し、次の沢(C)を50mほど越えた尾根上の踏み跡を通る方が早くリスクが少ないことがわかった。

BCに戻り、偵察の確かな成果を確信し、明日の登攀の成功を期し、生ビールで乾杯(小屋前はいいな!)し、早々に就寝、天気予報によると夜は「弱雨」だった。降らないことを祈って寝たが、無常にも午後10時過ぎテントを叩く雨音、しかも、かなりの雨足、目が覚めて寝られない、1時間ほど降り続き止んだようだが、「これで登攀は中止だな」と諦めて寝る、起床予定時間だった午前2時を過ぎても誰も起きようとしない、やはり「無理」とみんな思ったようだ。午前5時過ぎにようやく起き、「どうするか」(もう登攀にはおそいが、雨はやんでいるけど・・・・濡れていては無理かな・・・、でも・・・)、下山も検討したが、せっかくだし、雨が降っていないなら、テントを北岳山荘まで上げて、そこから間ノ岳をめざそうという当初、予定にない、縦走、百名山アタックに方針変更、さっそく、朝食を食べ、使用しないザイルなどの登攀具はツェルトでデポし、出発の準備をする。するとまたもや雨が降ってきた(これで登攀に出なくて良かったとなぜか納得のうれしさ、すっきり感に満たされる)。せっかく準備したし、明日もあるから雨の中だったが出発することにした。

昨日と同じ、二股から大樺沢左俣をつめていく、するとヘルメットに装備をつけたクラマーが下山してきた。基部まで行ったものの雨で退却してきたパーティーだった。一般道を詰める、はしごが続き、やっと八本歯のコルへ、すれ違う人は口々に「上はすごい風ですよ」と注意してくれた。北岳山荘へ向かうと本当に強い風と視界のないガスにまかれる。それでも10時前に到着し、テントを張る、天候の回復を待って間ノ岳アタックと気持ちが入るが、天候はまったく回復の兆しすらない、それどころか、間ノ岳に向かった人が何人も引き返してきている。午後12時半、ついに断念し、酒を飲み始める、昼食から連続的に夕食となり、持ってきたアルコールを午後4時には飲みつくし、就寝してしまう。

12時間も寝たら限界、午前4時に起きる、天気はまったく回復しない、雨こそないが、強風と濃いガスの中だった。もう日程がないからとにかく下山、歩きはじめ10分で頂上への分岐、リーダーのKさんは迷わず、トラバース道に入ったが、一回も北岳に行っていない自分はどうしても行きたく、「頂上経由でお願いします」と嘆願し、それならと頂上経由となったが、時折、突風も吹く中、悪いことしたかなと思いつつも、ありがたかった。濃いガスの中だったが、百名山76山目を登れ、一応、充実のお盆山行となった。頂上で、「次がここからやな」とリーダーKさんが声をかけてくれた。来年、リベンジするぞ!

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