内閣総理大臣
小泉純一郎殿
                                                     2003年1月14日
                                             核戦争防止和歌山県医師の会
                                                  代表世話人 八瀬善郎
                                                           福 幸吉


     北朝鮮のNPT脱退宣言に抗議するとともに、
          対話による平和解決を求める


 日本政府は北アジア非核地帯化のためにアメリカ追随の北朝鮮政策を改め、中国・韓国等アジア諸国と共に、対話による平和解決のために努力することを求める。



 10日、朝鮮民主人民共和国はNPT脱退を宣言した。その理由は、IAEAが1月6日採択した決議で北朝鮮に核兵器開発を求めたことを「わが国の自主権と民族の尊厳に対する重大な侵害」と批判し、「NPTが米国の対朝鮮敵視政策の道具として悪用されている」と主張、「NPTからの脱退は当然な自衛的措置である」としている。
 NPT条約から脱退して核兵器保有への道をめざすことは、世界平和を脅かす行為そのものであって、いかなる理由によっても正当化することのできないものである。まして政治的取引の手段とすべきものではない。
 「日朝平壌宣言」は、核についてあらゆる国際的合意を順守することを明記している。北朝鮮が核開発の行動を直ちに中止、計画の放棄を行い、核兵器廃絶の立場に立つことを強く要求する。

 日本政府は、北朝鮮が国際的合意に基づき、NPT脱退宣言を撤回し、平和解決が行えるように、アメリカ追随の北朝鮮政策を改め、北アジア非核地帯化のために中国・韓国等アジア諸国とともに対話による平和解決のための中心的役割を果たすよう、強く要望する。