アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ殿

                                                                   2002年9月27日
                                                                  核戦争防止和歌山県医師の会
                                                                     和歌山県和歌山市田中町
                                                                         5-1-15 タバタビル2F


       貴国の未臨界核実験強行に抗議するとともに
          イラクへの先制攻撃の撤回を求める



 貴国は、9月26日(現地時間)にネバダ州ウラ実験施設において、今年4度目、ブッシュ政権下で6度目となる未臨界核実験「ロッコ」を行った。
 これに対し、われわれは強く抗議する。
 未臨界核実験について貴国は、「貯蔵核兵器の信頼性と安全性を確かなものにするための科学的データ収集のため」と毎回同様の説明をしているが、核兵器の維持・開発を目的としていることに変わりはない。
 さらに、今回の実験は「ロッコ」と命名され、前回の「マリオ」、前々回までの「オーボエ」から変更されている。このことは、核開発の新たな段階に踏み込んだだけではなく、また、前回から一ヶ月も経ず矢継ぎ早に行われた実験は、目前の核兵器使用を想定した実験とも考えられる。
 貴国はイラクへの攻撃を言明しているが、我々はそこでの核兵器の使用をも危惧せざるを得ない。
 我々は、貴国のイラクへの先制攻撃計画に断固反対し、その撤回を求めるものである。 戦争でテロが撲滅できないのは明らかである。戦争こそ最大のテロ行為であることは、アフガニスタンでの事実をみれば明白である。誤爆という名の下にどれほど一般国民が命を奪われたことか。
 貴国の行動および戦略転換は、確実に進んで来た核兵器廃絶の動きに逆行するものであり、世界の平和を破壊する行為である。それは、世界平和と核兵器の廃絶を望む世界の圧倒的な国々、人々の願いへの明確な挑戦である。
 私たち医師・歯科医師は、人類の生命と健康を守る立場から、平和と全ての核兵器実験および核兵器開発の即時中止と核兵器即時廃絶を、核保有国と全世界の国々に訴えている。
 今回の貴国の暴挙に対して、断固抗議するとともに、貴国政府が速やかに核実験を中止し、核兵器廃絶の国際的な協議をただちに開始し、核兵器廃絶の方向にすすむことを要求する。
                                                                                  以上