アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ殿

                                                     2001年12月12日
                                              核戦争防止和歌山県医師の会



    貴国の未臨界核実験強行に抗議する



 貴国は、12月12日(現地時間)にネバダ実験場において「オーボエ7」とよばれる未臨界核実験を行うと発表した。
 これに対し、われわれは強く抗議する。あわせてテロ問題での速やかな平和的解決を求めるものである。
 未臨界核実験について貴国は、「地下核実験なしに米国の貯蔵核兵器の安全と信頼性を維持するため(核兵器)貯蔵管理計画に必要な科学的データーと技術的情報を生み出すもの」と毎回同様の説明をしているが、核兵器の維持・開発を目的としていることに変わりはない。
 アフガニスタンでの戦闘において核兵器の次に大きな威力、通常兵器では最大のBLU82を再び使用した。この兵器は半径550メートルの範囲の生物や物体を衝撃波と高温で破壊するものであり、無差別大量殺戮兵器である。
 さらに核弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの一方的離脱を表明するとするなど、余りにも世界各国および世論を無視した貴国の勝手な行動に対して憤りを禁じえない。
 私たち医師・歯科医師は、人類の生命と健康を守る立場から、平和と全ての核兵器実験および核兵器開発の即時中止と核兵器即時廃絶を、核保有国と全世界の国々に訴えている。
 これら貴国の暴挙に対して、断固抗議するとともに、核兵器廃絶の国際的な協議を開始し、貴国政府が速やかに核兵器廃絶の方向にすすむとともに、改めて、今回のテロ行為への報復行動に関してその火種を世界に拡大せず、法による理性ある解決を要求する。
                                                               以上