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ルーコラ(ルッコラ)2種

Rucola selvatica
野生種と仮にしましょう。"selvatico"は”野生の”という意味です。
イタリアに昔からあったゴマの香りのする葉っぱ野菜。
古くは "ruca" (ルーカ)と呼ばれていました。
これがイタリア語の縮小辞で変化して、"ruchetta"(ルケッタ) と "rucola"(ルーコラ)の言葉が生まれたそうです。イタリアでは、ルケッタのほうが良く使われるようです。ところが、種の袋などの文字になると、"rucola"(ルーコラ)が使われるのです。しかも、もう一つのルーコラと区別するために、ルーコラ・セルバチカと書かれています。これが日本でルーコラ・セルバチカと呼ばれる理由です。
想像するに、野生種であればイタリア人は種を蒔くことはあまりないと思います。しかも多年草です。すると、種の袋に書かれている、Rucola の文字も目にすることは少なく、ルケッタの名前が野生種に残ったのではないかと思います。


もう一つのルーコラ
Eruca vesicaria (subsp.sativa あるいは E.sativa)
栽培種と仮にしましょう。
学名のEruca ( "E" + "ruca" )
"ruca "はゴマの香りのする葉っぱ野菜。
"E" は "and"の意味。加える。
地中海沿岸から西アジアが原産と言われています。
"E + ruca"は、これもルーコラに加えましょう、というぐらいの意味でしょう。
こちらも、ルケッタとルーコラの両方の呼び方がありますが、ルーコラと呼ばれることが多いようです。
種の袋には、
"RUCOLA DA ORTO CULTIVATA"(栽培される菜園のルーコラ)と書いてあります。
これは一年草ですから、毎年種を蒔かなければなりません。栽培種と言われるゆえんです。
想像ですが、種を蒔くときには種袋の文字も見ます。そしてルーコラという言葉がこちらに多く使われるようになったのではないでしょうか。


場所が変わって、フランスでは。
全部 "Roquette" ”ロケット”と呼ばれています。
"Roquette"は"Ruchetta"(ルケッタ)の変化した言葉です。
種のカタログでは
野生種は "Roquette sauvage"
栽培種は "Roquette cultivee" です。
しかし、私はフランスでは栽培種しか見たことはなく、
栽培種を単にロケットと呼んでいました。