エシャロット・グリーズ    




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エシャロット・グリーズ



香りが強く、フランスでニンニクと同じような使われ方をする特別なエシャロットです。
普通のエシャロット(いわゆるベルギー・エシャロット)はタマネギの一種ですし、芽だしのラッキョでもありません。シャンデエルブでは栽培し始めて7年目になります。

エシャロットの話

エシャロットは西洋料理、とくにフランス料理でよく登場します。最初の頃は、エシャロットとはどんなものだろうと思って、百貨店の地下の食料品売り場で探して、ベルギーエシャロットを買って帰ったこともあります。
あるスーパーマーケットで、葉付きのエシャロットが売られていて、「こんなところに売っている!」と思って、買って植えたこともあります。あとでわかった事ですが、これはラッキョを芽だししたもので、フランス料理で使うエシャロットとは違うものです。このラッキョを芽だししたものは論外として、エシャロットの話から省きます。
ある本に、「フランス産が品質、風味とも一定していて、価格も安定しているので、国産の付け込む余地はない。」と書いてありました。だからこそ、国産する意味がある。人のしないことをすることに価値があると、強く思ったのもです。

エシャロットを作ろうと思って先ずしたことは、レストランに頼んでエシャロットを10kg取り寄せてもらいました。ベルギーエシャロットです。そして、それを植え付けました。たぶん、6−7月の暑い頃だったと思います。いくつかは芽を出したと思いますが、そのうちに消滅していきました。当時としては、エシャロットがなんだかわからないままにした、無謀な行動です。今から考えれば、ベルギーエシャロットはタマネギ。夏は植え付けの時期ではなく、特にヨーロッパ育ちのタマネギは日本の暑い夏に腐るものが多いです。

その後もエシャロットに対する想いはあるものの何もせずに、レストランに行って厨房にエシャロットが置いてあれば、「エシャロットですね。」と言って、見せてもらったり、話を聞いたりしていました。そのうちにひとつの疑問がわいてきました。エシャロットは本来、風味付けに少量使うものという概念があります。ところがレストランのシェフは、タマネギのようにたくさん使います。聞いてみると、風味がうすいから、と言います。きっと日本へ輸入されているエシャロットは安物で、フランスではもっと良い、本物のエシャロットを使っているのではないかという疑問です。

探している野菜とは、必ず出会いがあります。
2001年の冬にフランスに行って、種屋さんで種を物色していて、たまたま目に入った”Echaloto”の文字としわくちゃに干からびた球根。「もしかしてこれが探している本物のエシャロットかも知れない。」と思って、迷わず買い求めました。
帰国後、1月に植え付け、夏には念願のエシャロットが少量ですが収穫できました。ただし小さいものばかりです。少し収穫できては、あちこちのレストランのシェフの所に持っていって話を聞く、この繰り返し。
まずこのエシャロットの呼び方。エシャロット・グレ、グリ、グリーズといろいろあってはっきりしない。いずれも灰色という意味ですが、フランス語を日本語に直すのですから聞こえ方によってまちまちでしょう。”Echaloto”は女性名詞だから、形容詞は”Grise"(グリーズ)が正しいと思います。

フランスのエシャロット・グリーズが手に入っても、そもそもエシャロットとはいったい何なのかがわからない。タマネギなのか、ラッキョなのか、その他のネギなのか。何の仲間かがわかればそれなりに栽培方法の見当がつく。それもいろいろと調べていくうちにわかるようになってきました。
野菜の呼び方は、見た目や形で決まることが多く、食べられる分球する球根を総してエシャロットと呼ぶようです。そして、大きく二つの植物種がエシャロットと呼ばれているようです。ひとつは分球性のタマネギ、もうひとつはその交配種。前者には、ベルギーエシャロットや種で売られているエシャロットがあります。
エシャロットの正体がわかれば、栽培方法も見当がつきます。そして、ある程度の大きさのモノが収穫できるようになってきました。

最後に、エシャロット・グリーズはフランスでも貴重な食材で、三ツ星レストランでしか使わないとさえ言われています。
球根だから乾燥させて冷蔵庫に入れてしまえば一年中使えそうですが、旬は6月頃と思います。採れたてが皮が柔らかくて剥きやすい。
使い方はニンニクのように使うということです。
フランス三ツ星レストランの味が日本でも楽しめますように!