カーボロネロ


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カーボロネロ

カーボロネロを始めて知ったのは、十年ほど前の新聞記事で、こういう野菜を作っている人がいるとの紹介でした。でも当時、日本で種を探しても手に入れることはできませんでした。
欲しいと思っていたら、種との出会いは必ずある。時には種の方からやってくる時もある。そう思える出来事がありました。レストランのシェフから、海外旅行のお土産にといただいた種の中に、偶然にもカーボロネロが入っていました。
但し、種袋の写真はカーボロネロらしいものなのに、種袋には”Cavolo Broccolo Toscana"(ブロッコリー)としか書いていません。そこで、本当にカーボロネロかどうかを確かめるために、できた野菜と種の袋を持って、イタリア料理のシェフに聞いてみました。イタリアでは、カーボロネロのようなものをカーボロネロと呼ぶ。イタリア野菜の呼び方というものはルーズなものらしい。カーボロネロも、きちんとした品種名ではなくて、一般的な呼び方のようです。
最近、日本でもイタリアの種がよく手に入るようになって、種の袋を見ると。"Cavolo di Toscana"や"Nero de Toscana"などとよく書いてあります。カーボロネロは”トスカーナのキャベツ”といわれるくらい、トスカーナの地方野菜で、トスカーナ地方ではキャベツと同じぐらいよく使われるらしいです。トスカーナ地方で修行したというシェフとお会いする機会があり、「カーボロネロはよく使いましたか?」と尋ねると、よく使った、とのこと。「カーボロ ディ トスカーナ(トスカーナのキャベツ)?」と聞くと「そうですね。」という返事でした。
一方、イタリアに住む知人に、カーボロネロの種を探して欲しいと頼んだことがあります。その人は、各地で種屋さんをまわってくれたそうですが、イタリアの種屋さんでは「カーボロネロの種は売れないから置いていない。」とのことでした。どうやらトスカーナ地方だけでよく使われる野菜のようです。日本で特定の地方野菜や有名になっているのが不思議なくらいです。
日本では、葉が縮れて裏に反り返った葉のものがよく知られていますが、葉の反り返っていない広葉のものもあります。
使い方は、生ではあまり食べませんが、縮緬キャベツと同じように使うようです。ロールキャベツやスープ、パスタの具などに。
栽培は比較的簡単で、秋から春まで収穫できますが、モンシロチョウが飛ぶ頃になると、アオムシが発生して収穫ストップです。ハムシなどの害虫にも弱いです。