三尾弁講座

 和歌山県日高郡美浜町三尾は、南北に長い和歌山県のほぼ中央部、日の岬の付け根の海岸沿いにあります。昭和30年の町村合併前は、三尾村であり、半農半漁の人口2000程度の村でありましたが、耕地面積が少なく、豊かな所ではありませんでした。明治20年 工野儀兵衛翁がカナダバンクーバーに初めて移住し、その後、続々と親類縁者を呼び寄せ、三尾村は、「カナダ移住の村」となっていきました。現在は、新たに移住する人はいませんが、移住者の2世、3世、4世がカナダやアメリカに広がっています。
 昔は、海には広がっていますが、陸上交通が発達していない時期が永がった為か、周辺町村にはない三尾独自の言語が残っています。但し現在では、そのほとんどが使用されていない為、忘れ去られるかもしれません。もしかしたら、バンクバーかトロントでは生き残っているかも・・??

三尾弁 標準語 その他
アイサ 間さ(あいだ)、たまに
アル 居る 物と人を区分しない 用法 「誰々さんアルか?」
アガラ 自分たち 用法「アガラつれよな」{自分たち友達やね}
アマニハイル 海に潜りアワビ等を採る 海士に入る
ワガラ 自分たち 用法「ワガラつれよな」{自分たち友達やね}
ワガ 自分 我が
アイタ 明日 用法「アイタつんにイコラ」{明日釣りに行きましょう}
イヌ 帰る 用法「ワイタもう イナよ」 {私は、もう帰ります}
イコラ 行きましょう これは、関西、和歌山では、共通
イッコモ 一向も、1つも
オンシャ 貴方 御者 敬語ですかね?
オンシ 貴方 御士 お主
ワレ 君 おまえ
ワイタ 自分(男性)
ウラ 自分(男性)
ウバ アラ
ガイタラクナ ものすごい、大きい、大層な
ガイナ ものすごい、大きい、大層な
カクタエル 狼狽する、あわてる
コイサ 今夜
コイヤ 今夜
−−−でゴンサ −−−です、−−−でございます。
−−でゴンスラ −−−です、−−−でございます。
ゴンスナ 来なさんな
ゴンセ おいで
下り潮 東に流れる潮
上り潮 西に流れる潮
ヒゾコ 干潮時
ビシ 釣り糸の錘
−−−ネエ −−−さん(女性) 比較的若い女性の敬称 一生ネエで終わる人もいる
−−−バア −−−さん(女性) 比較的お年の女性の敬称  ネエとバアの基準がはっきりしない
−−−ニイ −−−さん(男性) −−−ジイと呼ばれる人は、いないように思う。
ザイゴベエ 田舎者、よそ者 (ダイゴベエ) 在郷兵衛
シンジョカ? あげましょうか? 進上か?
シンゼル 差し上げる
ミー 私の 20〜30年前は、一時帰郷者の会話は、このほか多くの英語(単語)混じりの三尾弁でした
ユウー 貴方
ラバ靴 ゴム長靴

**現在調査中 内容の充実を計って参ります、お気づきの点がありましたら、ご一報下さい。