40cm F4 Dobsonian Telescope

 

3号機 護摩壇山でDeepSkyを楽しむために2008年3月から5月にかけて製作。基本的には2号機と似ています。

2号機と違うところは、接眼部にカサイの金属製のものを使ったこと、ファインダーは高橋の7x50(25cmで使っていたもの)、
セルリエ部分と主鏡ボックスは取り外しできるようにしたこと、上下回転の自転車リムは少し小さな22インチのものを使ったこと、
主鏡ボックスには迷光と埃よけの壁を作ったことです。
トップリングの構造や主鏡の光軸修正部分は2号機と全く同じ設計です。

40cmドブソニアンとしてはかなりコンパクトで軽いです。

 

トップリングは、こども用自転車のアルミリム(直径約47cm)に斜鏡支持部分と接眼部を取り付けました。

緑矢印は3x30mmアルミ板、黄色矢印は1x90mmアルミ板、赤矢印は斜鏡取り付け部分です。接眼部はカサイの市販のものを使用。

自転車リムとアルミ棒の取り付け部分は、2mmのアルミアングルと4mmネジを使用しました。左の角パイプも4mmネジで取り付けています。

 

カサイの接眼部は90mmx90mmの大きさ。2mmのアルミアングルで作った枠へ4隅をネジでとめています。




これは主鏡支持部分。うす緑矢印は12x12mmアルミ角パイプ、紫色矢印は3-30mmアルミアングル、青矢印は3-15アルミアングルです。
紫色の3-30mmアルミアングルで作った箱がベースです。左写真のうす緑矢印は箱の上部をむすぶ12mmのアルミ角パイプ。この上に
青矢印の3-15mmアルミアングルで作ったセルリエパイプを取り付ける部分を載せた状態が右の写真。この部分には右写真うす緑色矢印の
筋交いを入れています。青い矢印で示した部分は、左のうす緑矢印で示した枠にぴたりと重なるようにしています。
右写真の赤い丸で囲ったところが光軸修正ネジです。
上下回転は自転車のアルミリムを半分に切ったものです。



接合部分のアルミの組み合わせ方です。




左は上下回転を受ける部分のテフロン。テフロンは12mm合板に両面テープで貼っていて、中のようにアルミリムに接しています。
右は水平回転軸の6mmボルトです。




主鏡ボックスは3mmベニヤ板で囲い、内側はつや消し黒、外側は白に塗りました。迷光よけと、保管時に主鏡を守るためで、
右のように蓋をつけました。

 


2号機

40cmドブソニアンは2007年11月の「双眼鏡・望遠鏡サミット」に間に合わせた1号機に続いて、2008年ワディー用に2号機を製作中です。



やっぱり、セルリエ型のフレームが安心できる。12x12ミリという細いアルミ角パイプだが案外丈夫だと思う。スーツケースに入るように長さ67cmにして、途中で継ぎます。トップリング部分は子供のマウンテンバイクのアルミ製リム(368グラム)を使用。斜鏡や接眼部を支える部分はリングの上部に取り付け、セルリエパイプの長さを節約する。下部は3x30アルミアングルで構成し、四隅からセルリエパイプを立ち上げる。光軸修正は3点で、1号機は主鏡の裏側からだったが、2号機は上側から。こうすると恒星を見ながら調整できる。主鏡の口径比F4であるので、星像は光軸に敏感。楽に調整できるように考えました。上下回転は未定ですが、図の点線のように下部のアルミアングルに自転車のリムを取り付けようと考えています。...これで全体は20kg以下の予定。

 

2号機ができました。

茶色の台座部分は1.8kg、40cmF4主鏡は11.5kg、斜鏡は450g、パラコアとイーソスで850グラム、アルミ部分は4.9kg。

トータル20kg弱になりました。これだったら手荷物とスーツケースに分けてエコノミーチケットでも海外へ行けます。

 

 

上下回転は26インチ自転車のアルミリム。12mm合板で作った台座に置きます。

合板は板状であったら3kgでしたが、切り抜いて1.8kgになった。

水平回転は26インチステンレスのリムです。(25cmで使っていたものを流用・ワディーにも同じものを置いてあります。)

四隅の白いものはテフロン。スムースに回ります。

 

主鏡をはずしたところ。黄色矢印は引きネジ。緑は押しネジをつける部分。赤は主鏡の重量をささえるための小アングル。

紫矢印は15x15アルミ角パイプ。

 

接眼部分は軽くするためにケント紙を巻いただけ。パラコアごと抜き差ししてピントを合わせます。OVフィルターはちょうつがいで脱着。



さっそく分解してスーツケースに入れてみました。


 分解はプラスドライバー1本でできます。ネジだけでも400gほどありました。

 大きなパーツをスーツケースに入れてみた。なんとか入る。
スーツケースは、内側の長さが68cmのものです。10年以上前に15000円で買ったもので、このサイズにしては4.5kgと軽い。


 主鏡も入れてみた。ウム、ちょうどよい大きさだ。(主鏡は、直径408mm、厚さ69mm、重さ11.5kg)

 主鏡には、表面を掃除してからティッシュペーパーを載せ、アメリカから送られてきたときの梱包材でくるみました。
メッキ面側には念のために5.5mmのベニヤ板をまるく切ってあてています。さらにエアーキャップで何重にも巻いています。.....その上に鏡筒下部の
アルミ部材や上下回転架台の大きなパーツなどを載せてみました。

主鏡の右側に赤く見えている部分は大きなすきまになっているので、こちらへ主鏡が動いてこないように、ダンボールでぴったりサイズの箱を作ります。



 箱の中には他のアルミパーツなど入れて、これにて40cmの主鏡、鏡筒、上下回転の架台部分が入りました。

重さをはかってみると、25kg。(*_*) これ以上、入れられるのは下着ぐらい。

ほかに、接眼レンズとパラコアはウエストバッグに入れて腰につけます。架台の最下部に位置する26インチのステンレスの自転車リムはすでにワディーに
おいてあるので、持って行きません。


1号機 2007年11月16日の双眼鏡・望遠鏡サミットに間に合わすために急ごしらえして作ったものです。

 



 到着しました! 40cm主鏡です。


 税金は10000円ほどでした。




主鏡を箱から出しました。重さ12kg。このように円錐形で、中央の穴は主鏡を支えるためのものです。普通の9点支持とか18点支持というセルとは全く違う方法になります。...ただいま思考中。

いよいよ40cmドブソニアンを作るのですが、 これも使います。子供が小学校のときに乗っていた自転車です。





▼▽▼▽▼ とりあえず 40cmドブソニアン ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼

 主鏡が到着したのは10月27日。自転車のアルミリムを使って作ろうと、それまでにも考えていたが、カサイから88mm斜鏡と接眼部を入手して主鏡を含めて実際の寸法や重さを測り、本格的に設計しようとしたのだが、10月末からホームズ彗星に忙しくて40cmはサミットに間に合わないと思った。しかし、近着のS&T10月号にに Ken Lulay さんの簡単なドブソニアンが出ていた。11月4日に室川林道でおいしい朝のコーヒーを飲んでからその記事を読んだ。なるほど簡単な構造だが理にかなっている。これだったら軽く作れるし、サミットにも間に合うかもしれない。と、バタバタと作った。サミット初日にファーストライトを迎えたが、使い勝手が悪かった。2日めに光軸を合わせ、上下動ををテフロンで軽くして、ファインダーを付けたらなんとか使えるようになった。...でもこれではまだ不便なところがいっぱい。


 大口径で手軽にDeep-Skyを見たい。このために作った40cmです。主鏡はアメリカのRobert F. Royce さんが作っている Conical Cross-section Newtonian Parabolic Mirror という底面を円錐状に削ったもので、口径比F4です。焦点距離1600mmとほとんど踏み台を使わずに使える大きさにできることを考えてF4を選びましたが、コマ補正レンズ(パラコア)を併用します。円錐状に削られている主鏡は厚さ69mmであるのに12kgと軽量です。主鏡の支持は簡単で、15x15アルミ角パイプと3mmアルミ板で作った平面に主鏡を置いているだけです。主鏡中央には45mmの穴があいていて、ここで主鏡が左右にずれないように固定します。ちょうど合うプラスチックがあったので8mmボルトを使いました。光軸修正は3点調整です。
 鏡筒部分は、双眼鏡・望遠鏡サミットに間に合わすために簡単に作れる構造を考えていたのですが、ちょうどスカイアンドテレスコープの10月号に Ken Lulay さんの望遠鏡がのっていたのでまねてみました。2本の丈夫な棒とそれらを強く締める伸びない紐で構成するシンプルな構造です。棒の間に斜鏡を付けますが、私の望遠鏡では2枚のアルミ板で斜鏡をはさむ構造にしました。2本の棒には25x25のアルミ角パイプを使いました。紐には、Lulayさんはアーチェリーの弦を使っていましたが、私は有り合わせのナイロン紐を使いました。斜鏡の向こう側に黒く塗ったボール紙を迷光よけにおきました。街灯など無い場所ではこれでも十分なSNで見ることができした。
 まだ2夜しか使っていないので詳しいことはわかりませんが、76倍では問題は感じませんでした。全体で20kgほどと、40cmにしては軽い望遠鏡です。エコノミーチケットでも海外へ持って行ける40cmをめざして作ったのですが、主鏡周りや架台部分などさらに軽くできると考えています。分解するとコンパクトになるので車にも積みやすいのですが、組み立てるごとに光軸を調整する必要がありそうです。車内に余裕があれば、もっと確実な望遠鏡を作った方がよいと思います。このタイプの望遠鏡は、斜鏡と接眼部を軽く作ること、伸縮しない紐を使うことですね。

11月16-18日、双眼鏡・望遠鏡サミットに40cmドブソニアンが間に合いました。15日夕方、アルミパイプがホームセンターに入荷。

16日出発間際に一応完成。16日夜にサミット会場にてファーストライト。最初に見た天体はホームズ彗星です。