ヒーター

(1)ヒーターいろいろ


初めての冬越しをひかえ、どんなヒーターがいいの?と悩んでおられる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
部屋の温度が20度を切るようになってくると、ヒーターの出番です。
ちゃんと管理できれば、どんな物でもよいわけですが、一日監視しているわけにもいきませんから、
簡単で安全にしかもヤドカリにとって快適に使える物がのぞましいわけです。
となると、水のある環境ですから、防水で、なるべくなら空気を乾燥させにくく、
また温度制御できるものがよいですね。ヤドカリがハサミではさむ危険も考えなければいけません。

そんなことを言いつつ、私も、さほど研究したわけではなく、たまたま近所のホームセンターにあったものを使っているだけなのですが...。

ここでは、私他、オカヤドカリを飼育するのに実際に使ってみたという@@らばーず(オカヤドカリ好き!な人たち)からのヒーター情報を紹介します。同じ物が手に入るかどうかわかりませんが、こんなものがあるんだよということで参考になれば幸いです。

おすすめ度を、
*** かなりおすすめ!** ややおすすめ * オカヤドカリにはあまり向かないかも...。
の3段階で紹介者のコメントとともに載せてみました。

あくまでも、オカヤドカリの飼育に用いる場合についてのコメント&評価です。
また、使用状況は人それぞれですから、同じ物でも人によって感想は違うこともあります。
商品そのものの善し悪しを言っているのではありませんのであしからず。

注:飼っている入れ物をタンクと呼んだり、ケースと呼んだり、時には、牧場、小屋なんて呼び方もしておりますし、オカヤドカリのことを@@と書いたりしています。わかりくいところがあれば、なんなりとおたずね下さい。

他にも、私はこんなヒーター使ってるよ!という情報、お待ちしております。よろしく!

ヒーター <一般名称>・仕様 コメント(おすすめ度by紹介者)

パネルヒーター

朝日パネルヒーター

<パネルヒーター>
マルカン社製
・W70xD135xH20mm
・完全防水
・サーモスタット付き
・表面温度40〜43℃
・消費電力5W
(水中なら10W)
・プラスチックの堅いケースで包まれており、コードも保護カバー付き

もっと大きいサイズもありますが、完全防水ではありません。(一回り大きいサイズのは完全防水のがありました)


←ほとんど同様の仕様のものが朝日産業(株)からも発売されています。
・10ガロンタンク(プラケースなら大〜特大のサイズ)で砂の下に埋めて使用。かなり小さいが、部屋がそれほど冷えこまないので、これでも充分のように思う。ヒーターを埋めた砂上(厚さ10センチ)の温度は24度くらい。
水が必要で、なおかつ、かじったりはさんだりする小動物には、完全防水と保護カバー付きのコードはうれしい装備。
ただし、コードを通す穴(私はプラケースのフタの網を一部ニッパーでカットしました)からヤドカリが脱走しないように要注意!
マルカンの商品は大抵のペットショップで扱っているようなので比較的手に入りやすいのでは?
(*** by とれもろ)

・ヤドカリ側から考えて・・・なんて感じで・・・ちょっとコードとかがタンク内入ってきて、小狭い感じですが・・・保護カバー付きのコードは登り度抜群。よい遊び道具になってます。
あと始めてだし・・・これしか持ってないからなんとも言えないんですが 選んだ理由は、保温性がやはり安心できるかなっと思ったこと。がっちりしているし安全性もある。
表面温度は少し高いですが・・・砂中だとちょうどよい温度環境が保たれている感じです。
ヤドカリ達も離れたりくっついたりとその時の状態に合わせて場所を替えているみたいです。
(by はみらんさん)
フィルムヒーター <フィルムヒーター>
日本動物薬品株式会社製
・W100xD180xH10mm
・生活防水
・サーモスタット付き
・表面温度33〜37℃
・消費電力2W
・薄くて使い捨てカイロにビニールコーティングしたような感じ。コードは保護カバー無し。
・2Wは魅力的ですが、やはりパワー不足の感は否めません。トカゲが直接上に乗っかるためのものなのでしょう。10ガロンタンクでは、これだと頼りないので、2ガロンのタンクで使用。砂厚6センチで砂上は22〜24℃くらい。気になるのは、ビニールカバーやコードがハサミで破れたりちぎれたりしそうなところ。コードには自分で何か巻いて保護した方がよいかな。
(**〜* by とれもろ)
アンダータンクヒーター <アンダー・タンク・ヒーター(U.T.H.)>
写真はZOO MED社のミニサイズの5ガロン以下用、プラスチックタンクにも使えるものです。大きさは4インチX5インチ。消費電力は4W。FMR製のものもやはり同じくらいの能力と大きさ、但しこちらは6W。
10ガロン〜20ガロン用は、6インチX8インチ、8W。それでもSサイズだそうです。
気になるランニングコストですが、These heaters range from 4 to 22 watts, and cost only pennies a day to operate.とあるので、3タンク全部使っても日に10円以下なのだと思って(希望して)ます。
(byそおふうさん)
・アメリカでは最も一般的な爬虫類用ヒーターで、Hermies(アメリカの有名なオカヤドカリのニュースグループ。すごい活気です)でも一押しです。タンクの底に外側から貼り付けて使います。外付けのメリットとして、コードのうるささがない。短所として、一度貼り付けると場所が動かせない、があります。
私の使っているのはZoo Med社製の10ガロン用。メーカーの説明によると、室温プラス3〜7℃くらいになるように設計されています。TRexとか他メーカー(主にドイツ製)のものに、外気温に関係なくコンスタントに37、8℃とかの温度を作り出すものがあります。日本製のもそうだったでしょうか。一般的な日本の家屋では、こちらの方が良いかもしれません。ただ37℃は明らかに熱過ぎなので、砂をいっぱい入れるなどして、ヤケドで昇天ということのないように。当然サーモスタット内蔵だと思いますが、レオスタットというのを使うと良いかもしれませんね。(*** byそおふうさん

・左の写真のもの(5ガロン用)を底面の片側半面外側に貼り付けてます。
温度は一定で、18〜19度、湿度70%にしております。
@@は、左右どちらかに分かれますね。
以前、砂洗いの際、ヒーター部分の砂が底まで、さらさら状態だったので、毎日せっせと霧吹きを多めにしてまふ。(ヒーター部分でないほうは、結構湿り気有り)
(by うれちさん)
タンクの底に張り付けた状態
<ピタリ適温>
詳細はレプタイルショップさんのHPを参考にして下さい。
これも薄型(厚さ1mm)のセンサー付きヒーターです。結構扱っているショップは多いようです。飼育ケースの外側(底や側面)にとりつけて使っている方々によれば乾燥しないし、センサーも安定して作動し、いい具合とのこと。防水ではなさそうなので中に入れて使うのは危ないでしょう。購入されたらそのあたり確認して下さい。よく似た感じのでスーパー1というのがあってそれは完全防水ですが、同サイズのピタリ適温と比べるとかなり値段が高いですね。
岩型ヒーター <ロック・ウォーミング・ストーン>
(これはそおふうさんがアメリカで購入されたものですが、日本でも同じタイプのものがあります。形もいろいろあります)
・一番始めにペットショップへ行き買ったヒーター。
本来、トカゲなど爬虫類が張りついて暖を取る用途の物?。表面のごつごつ感が中々良いです。レンガみたいな材質のもありますが、これはレジン製。
初めのうち、砂上に置き水をたっぷり含ませたスポンジを上に載せ使用していました。後にアンダータンク型ヒーターが良いと知り、砂の下タンクの底に沈めて使用。
小型のものは安くまた防水なので、小人(@)数の牧場にはまあまあ使えると思います。但し、寒い部屋ではどうか分かりません。UTHで十分な温かさを得られない場合、サブとして使用するのも良いかもしれません。
(***〜** byそおふうさん)
洞窟型ヒーター <ヒート・ケイブ> ・ぬくぬく洞窟型ヒーター。素材は素焼き粘土、厚みがありどっしりしています。七厘みたいな感じですか。
天井部が上載せ式の蓋になっており、実はヒーターはこの部分だけなのでした。
蓋の上にたっぷり水を含ませて置いておいたスポンジが、翌朝洞窟の中に持ち込まれてました。スポンジはほとんど乾き、全ての@達は遠くに避難していました。丁度その頃、熱過ぎるヒーターでハサミや脚が抜け落ちるなんて記事をニュースグループで読んだもので(真偽のほどは分かりません。ただストレスにはなるでしょう。どうもアメリカの@は特にストレスに弱いのか、すぐ手脚を落としてしまうようです。)、この一晩の試しだけで御役御免としました。
何れにせよ10ガロン程度の牧場には大き過ぎ、熱量もあり過ぎのようです。これも熱帯のヘビ等用でしょう。
(* by そおふうさん)

ヒヨコ電球

<ヒヨコ電球>
20W〜100Wくらいまでいろいろ。
(もちろんサーモスタットは無いです)
室温+約4℃〜15℃(ワット数によってかわる)。
昔ながらの、保温器具。卵をあたためヒヨコにかえすために使われる電球型ヒーターです。温度制御したいときは、別にサーモスタットを買ってつければ可能です。
電球の中にはニクロム線が入っていて発熱します。まぶしいほどではなく、ぼんやりと明るくなります。電気代がかさむし、乾燥しやすく、しかも水がかかると危険です。もちろん割れても危険です。また、空気から暖めるので砂自体はあまり暖まらないのでは?
(* by とれもろ)

ペットヒーター

<ペットヒーター>
ヒヨコ電球がスチールのカバーに入っている物。
ヒヨコ電球がむきだしよりは、ずっと安全だと思うけど、やはり、ヒヨコ電球と同じ理由であまりオカヤドカリには向かないでしょう。
(* by とれもろ)

↓温度を調整するために使う装置

   
rheosta1.jpg (22926 バイト) レオスタット
U.T.H.と同じZoo Med社製。一つで2つのヒーターまで使えます。サーモスタットではない、辞書によると「加減抵抗器」。電流の量を調節し、設定されてる温度をマニュアリーに上下させるって装置でしょうか。ちょっと熱過ぎ(29℃以上)のことが多かったので使い始めましたが、効果の程は良く分かりません。
(by そおふうさん)

紹介者のみなさま、並びにいくつかの商品の撮影を快諾して下さったイズミヤ長岡店ペットショップ・エコロさんに心より感謝いたします。ありがとうございました。



ヒーターを使う際、気を付けること!

●爬虫類や小動物用のヒーターはある程度の温度に設定されていて、サーモスタットもついていることが多いですが、必ず温度計を入れて、ヤドカリのいる場所の温度をチェックすること。砂の量や部屋の温度などにかなり影響されるので要注意です。

●どんなヒーターでも、必ず乾燥します。湿度計を入れて必ず湿度をチェックすること!
霧吹きや、濡らした海綿をおくなどして、乾燥を防ぎましょう。
乾燥を防ぐ手段としては、フタをガラス製の物にするとかなりの効果があります。
タンクがプラスチック製のもの、丸とか6角形等形の変ったもの、4角でも珍しい規格のものには、合うガラスがないでしょう。でもその場合、付属のプラスチックの網蓋等にラップを貼る方法も効果的です。(by そおふうさん)
その際、通気のための隙間は忘れずに!

●パネルヒーターやアンダータンクヒーターは下から暖めますが、タンク全面に行き渡るようなサイズではなく、半分くらい(パワーによってはそれ以下)のサイズのものを選び、砂を厚めに入れます。通常(ヒーターを使わない季節)でも一番大きい個体の2倍くらいの深さの砂を入れるのが望ましいですが、ヒーターを使う場合はそれ以上は絶対欲しいところです。
理由は、いろいろな温度の場所ができるので、ヤドカリが自分の好きなあたたかさの場所を選べるからです。

●ヒーターを入れると飼育ケースの内部はあたたかくなるので、ケースの外の温度が下がるとケース壁面の内側に結露が生じます。霧吹きしたり、特に、ガラスの水槽を使っている場合はできやすいようです。結露が生じると中の温度が下がるそうなのでこまめにティッシュなどで拭き取ります(by うれちさん)

●ヒーターの保温効果をあげるためにも、前述のガラス蓋やラップは有効です。
そのほかにタオルやキルティングの布をかぶせると、ずっと保温効果があがります。古くなった半纏なんか結構いけますよ。保温フィルムや発泡スチロール、段ボールなどでまわりを囲むという手もあります。
自分でいろいろ工夫してみましょう。


さてさて、ヒーターについて、いろいろ書きましたが、参考になりましたでしょうか?
ペットショップでは、ヒーターを全く置いていないところもあると思いますが、こんなものが欲しいとある程度具体的に言えば、取り寄せてもらえると思います。オンラインショッピングで買えるものもあります。



(2)ユニーク保温アイデア

いろいろなヒーターを紹介しましたが、次にちょっとユニークな保温方法を紹介させていただきます。

<1>熱帯魚用ヒーターの利用

これはビックリ!こもさとさんに送っていただいたおどろきのアイデアです。
その思いつきと行動力に脱帽です。お見事!

 これが水槽湯煎法! 水槽湯煎法
(と勝手に呼んでしまいました)

ヤドカリの入った水槽を、温水の入った一回り大きな水槽(ガラス製60cm)に入れあたためています。熱帯魚用ヒーター(200w)&サーモスタットを使用。
温水の中にはなんと熱帯魚も泳いでいます!
(むむっ?! なんか狭いぞ?by 熱帯魚)

<紹介者 こもさとさんのコメント>

温度管理がとても簡単に,しかも正確に出来ます。
 中の水槽がヤドカリの水槽ですが,浮き上がらないように,ふたの上にレンガを置いてあります。ほぼ,中の水槽内温度も,外側の水温と同じになります。
栃木県在住なので,暖房を入れてない部屋は,朝には0℃くらいになり,小型ヒーターぐらいでは間に合わないのです。 少々,エサやりと掃除が大変ですが,ヤドカリの方は,外の寒さを横目に,夏のときと同じように行動しています。
何よりいいことは,器具はどこでも売っていることと,空中サーモなどに比べると器具代が,1/3から1/4ですむことです。


<2>タンクカバーはいかが?

次は、はみらんさん製作キルティングのタンクカバーです。
ヒーターは防水性のパネルヒーターを使用しています。

おっしゃれ〜!これならリビングに置いてもOKですね。
(といいつつ、とれもろ家では、ぼろい半纏かぶせてリビングに置いてますが(^^; .....)

タンクをカバーするのは保温だけでなく、保湿および暗くするという意味でも有効だと思います。
ぜひ、お試し下さい。

・側面は一周できる長さ 両端をマジックテープで閉じれるようにしてあります。
・後ろの側面に当たる部分の上部に蓋の部分のカバーの取り付けをする
 後方より前方へたれっときます。少し長めに・・・
前面開閉 側面を覆う 夜間は全体カバーします

このほかに、長野KENさんは、ガラス戸の付いた小さい食器棚にタンクをごっそり入れてしまうことで保温の工夫をされています。入れ物を二重にするだけでかなり保温性は高くなると思われます。最近の住宅ではやりのペアガラスだってそうですよね。
もちろん覆いをしたり、タンクを二重にするだけでは温度をあげることはできませんから、温度が十分でないときはヒーターを使って下さい。
また保温性をよくするということは、反面、空気の流れをとめてしまうことになりますから、換気および湿度のチェックもお忘れなく。

→とれもろの失敗話:ヒーターを購入する前に、「貼るカイロをまわりにいくつか貼りつける」、「電気沸くポットがかなりの発熱源なのでぴったりくっつけて置き、一緒にバスタオルをかぶせる」なんて変な方法をやってみましたが、効果がもうひとつな上に、不経済(結局、お金がかかる)、手間がかかる(毎日貼り替える必要があるので)、危険などの理由ですべて却下されました...。おバカですねー、まったく(^^;



オカヤドカリは夏だけのものではありません。ちゃんと冬を越して何年も生きます(実際にはなかなかむずかしいですが)。
上手にヒーターを使って、長生きさせてあげましょうね。


ご意見・ご質問等はTremolo's BBSまで、お願いいたします。

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