カラーネガの色傾向を想像する


某光学機器メーカー製のフィルムスキャナーをじっくり使う事ができたので、いろいろテストしてみた.

このスキャナーはちょっと旧機種で、読み取り精度は最大1770DPI、階調は10bitA/Dの8bit出力、フォーカスはマニュアル機だ.
しかし、思った以上に高精細でなにより階調再現性がすばらしい.
photoshopでヒストグラムを見ると実になだらかなグラフが表示され、かつ飛んでしまっている部分もつぶれてしまっている部分も無い.
素の入力結果は幾分地味な画像だが、それはphotoshopで如何様にも創りこんでいく事が出来る.
ある意味、古い機種なので一般受けのための色の加工やアンシャープマスクのようなフィルター処理が行われていない(あるいは控えめにしてある)のが幸いしたと思われる.

さて本題だが、リバーサルの読み込みは1通りしか設定が無いが、カラーネガは6通りの設定があった.
AGFA、Kodak、KodakGold、Fuji、Konica、その他、の6通りである.
という事は、各フィルム会社のネガによって色傾向があるという事が想像できるので、それを想像してみた.

AGFAのHDPplus100をAGFAで処理したフィルムがたまたまあったので、それを使う事にした.

私の記憶にある印象の写真と各設定でスキャンした素の画像

印象

記憶にある印象

AGFAでスキャンしたもの
Kodakでスキャンしたもの KodakGoldでスキャンしたもの
AGFAでスキャン Kodakでスキャン KodakGoldでスキャン
Fujiでスキャン
Fujiでスキャン Konicaでスキャン その他でスキャン

想像される各社のフィルムの色傾向.

以下は私個人の勝手な想像なので、信憑性はまったくありません.
また、各社とも写真の色はネガフィルムの色記憶性とプリントペーパーの色表現性とで決定されています.
ですから、これからの記述で各社のフィルムを評価するのは不当です.

サンプル画像の傾向
イエロー ブルー グリーン マゼンダ シアン レッド
AGFA ++   +      
Kodak +++          
KodakGold ++++     ++   +
Fuji ++++          
Konica ++++   +      

私の印象が実画像以上にブルーがかっている、あるいは使用したスキャナーにイエロー傾向があるとすれば、

出来あがりの写真の傾向としては、

Agufaはマゼンダがかすかにかかるが自然.
Kodakはややブルー傾向があるものの自然.
KodakGoldは色傾向が違いすぎ.ブルーとグリーン傾向でかつややシアンがかかる.
Fujiはブルー傾向はKodakより強いがやはり自然.
KonicaはFujiに似るが、マゼンダがやや強い.

この実験はちょっとAGFAに有利.
だけど、FujiとKonicaの違いは、なんとなく感じていた印象と一致.
KodakGoldフィルムはほかと違う色だなぁと強く感じていたが、この結果から見ると、プリントマシンで調整する設定ではなく、プリントシステム全体でこのフィルム専用機を使う仕様のフィルムであるようだ.各社のフィルムを扱うラボ店泣かせのフィルムかもしれない.
しかしGoldじゃないKodakフィルムとは実際には何をさすのかが分からない.プロ用のポートラフィルム?ローヤルフィルム?それともかつて存在していたフィルム?謎.

という事で、人の肌の色なら、AGFAかKonica. 海や山ならFujiか謎の無印Kodak. Goldは使わない. 
なんちゃって…. 実際には、ラボでプリントされるときに色は変わるし、自宅でならGold以外ならphotoshopで簡単に色の調整は出来るから、安いが一番かな. 色以外にも粒状性とか階調表現性とかいろいろあるしね.

2001.4.25.


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