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ほめて「やる気」を引き出すと、作品のレベルもぐんと上がる(ワープロの実習)



森川正彦(法則化中学太子サークル)

パソコンで制作した作品はすぐに修正することができる。そこで、プリントアウトさせた作品をその場で個別評定することにより、生徒の作品レベルを向上させることをねらいとした実践である。


A 実践のねらい

(1)ワープロソフトを使って「名刺」を作る授業。完成した「名刺」をどのように提出させるであろうか。

(2)以前はこんな方法をとっていた。
   ア 授業の終了直前にプリントアウトさせ、提出した者から終了。
   イ 完成した者からプリントアウト、後の時間は自習
   いずれも受けとった作品は、後日時間があるときに評価していた。

(3)TOSSで学ぶ中で「個別評定」の大切さを知った。指導と評価は一体でなければならない
   生徒が作った作品を受け取り、それで指導が終わりではもったいない。

(4)生徒が提出した作品を即時に評価する。コンピュータで作る作品の特徴として、すぐに修正ができるという点がある。
   やり直すことに対して生徒の「抵抗」が少ない。局面を限定した「評価」をすることにより、生徒は作品を修正し、さらによい物にしようとする。

(5)早く終わった生徒が、遊ばずにさらに努力を続ける。それにより、教室には心地よい緊張感が生まれる。
   生徒は他の生徒の作品を見て、どこがよいのか理解する。一人一人のレベルが上がると同時に、学級全体のレベルも上がる。

(6)教師が注意しなくても生徒は自然と熱中する。再挑戦した生徒のほとんどが、授業後に自分の作品の向上を実感する。
   それは「自分で考えて」工夫したものであり、教師の指示で行ったものではない。
   それにより生徒は充実感を得て授業を終えることが出来る。


B 具体的な授業の流れ

(1)ワープロソフトで名刺を作る実習。完成した作品をプリントアウトさせる。

(2)受け取った作品をその場で評定して、掲示板に画鋲でとめる。
   (左側に貼るほど高い評定とした)

(3)このとき教室の全員に聞こえるように評価する

 「とてもセンスがいいです。文字のフォントはもう少し大きい方がいいかな」
 「これは大変素晴らしい。AAです。全体のレイアウトがすごくいいです」
 「この部分とてもいいです。工夫しています。努力賞です」


(4)作品の出来に満足がいかない場合は、修正してもう一度印刷していいことを知らせる。

(5)修正し、再度印刷してきた作品は、1回目よりよくなっているはずである
   良くなった部分をしっかりほめる

「すごく良くなりました。名前がすごく見やすくなりました」
 「こっちの背景色の方がいいですね。さっきより1ランクアップです」


(6)掲示板に貼る位置も1回目より上位に貼る。

(7)生徒に、時間の許す限り、2回目、3回目の印刷も許可することを伝える。



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