Essay



FMワイヤレスマイクの作製 2003年4月2日

 前回のLEDポケットライトに続いて、こんどはFMワイヤレスマイクを作ることにした。FMワイヤレスマイクとは、マイクで拾った音をFMラジオの電波として飛ばして、離れた地点でFMラジオを使って受信するというもの。司会用のマイクなどでおなじみのものだ。

 なぜこれを作ろうと思ったかというと・・・まさに必要は発明の母(発明ではありませんが・・・)。

 我が家には小さな子どもが2人いる。いつもこどもを先に寝かしつけて、僕らは別の部屋でテレビを見たり新聞を読んだりするわけだが、そんなときに時々こども達が大泣きして起きてくることがある。こども達にしたら「ふと目が覚めてみると、添い寝してくれていた母親がいない!」ということなのだ。

 もしこどもが目を覚まして、寝ぼけまなこで「ママ?」と呼んだ段階で寝室に駆けつければ、大泣きに至らずにまた寝入るに違いない。

 つまり少し離れた部屋から、寝室の音をモニターできればよし。電子工作の例題としてはまさにウッテツケである。


 回路としてはFM変調部とマイクがあればよし。自分で調べて作ろうかとも思ったが、まずは手っ取り早くキット物に頼ることにする。

 さっそく大阪日本橋の電子部品ショップに出かけ、FMワイヤレスマイクのキットを購入。値段は800円だった。ついでに電池ボックスも購入。ポケットライトのときに使ったのと同じようにON/OFFスイッチ付きのものだ。このなかに電池と一緒に回路も押し込もうという魂胆。

 買ってきた回路をさっそく組み立ててみる。キット物はすぐできるので楽ちん。


FM変調部(左)とマイク部(右)


 いざ電源ON・・・

 電波はとりあえず出ている模様。手持ちのFMラジオをつけてチューニングするとすぐに受信することができた。ただマイクの感度はかなり低い模様。
 マイクに息を吹きかけると、FMラジオからはかろうじてゴボゴボゴボ・・・と音が聞こえる程度。人の声ならマイクのごく近くでしゃべらないとまず聞こえないだろう。

 このままでは本来の目的を達成できないので、マイクの後に増幅回路を入れてみることにした。キット物をそのまま作るのはややつまらないと感じていたので、少し回路にオリジナリティが出る(といっても定番回路には違いないが)のが嬉しい。

 増幅回路はトランジスタ一石のごくごく簡単な物としたが、これでぐっと感度がよくなった。数メートル離れたところの人の声もよく聞こえる。

 ためしに台所においてみると、冷蔵庫のコンプレッサーの音やポットから噴き出す蒸気の音などが臨場感たっぷりに聞こえてなかなかおもしろい。

 電池ボックスの加工も行い、回路を予定通り組み込むことができた。なかなかいい感じの仕上がりだ。しばらくこれで使ってみるか・・・。



電池ボックスに回路を収めたところ



完成したFMワイヤレスマイク




This page was last updated on Apr.2, 2003.