2025年12月19日(金)
阪急西院前8:20=8:45高尾=8:56小野中ノ町=9:09大森サンバレー383m
9:21―9:25橋―9:26北路南路分岐386m―(南路)-9:35林道分岐430m―
10:12尾根600m 10:20―10:24薬師峠590m 10:30―10:41雲ケ畑分岐―
P671迂回―11:01岩茸分岐704m 11:09―11:22Ca800m―右へ―11:25
岩茸山811m 11:30―11:49 反射板11:51―12:00鉄塔881m―12:04
鞍部―12:07桟敷ヶ岳△895.7m 12:18―12:22鉄塔(休憩)12:37―
12:59反射板―13:14岩茸山13:18―13:55薬師峠13:59―北路―14:34北路南路分岐
―14:39大森サンバレー(忘年会)
冬の柔らかな陽光に誘われるようにして、
総勢10名の仲間とともに北山の懐、
桟敷ヶ岳へと足を踏み入れた。
6年前も、今日と同じような快晴
だったことを思い出す。
阪急西院駅から送迎バスに揺られ、
大森キャンプ場へと向かう車窓には、
静かな冬の里山が広がっていた。
倒木との格闘、そして静寂の峠へ
午前9時過ぎ、標高383mの大森サンバレーに到着。
気温はわずか2℃、風はなく、民家の屋根からは
陽光に温められた蒸気が
白く立ち上っていた。
地元の方から「クマは定住していないが、
餌を求めて降りてくるかもしれない」
と聞き、気を引き締めて歩き始めた。
「岩屋不動・雲ヶ畑」の標識に従い、
清滝川に架かる赤い橋を渡ると、
山塊に当たり道は二手に分岐する。
右に進み、南路を歩く。
藪の向こうに小屋がかすかに見えた。
ここの分岐を見落として
引き返した経験があるので、
慎重に左の林道を登る。
しかし、道は想像以上に険しかった。
行く手を阻むのは、乗り越えるにも
潜るにも骨が折れる凄まじい倒木の群れ。
格闘するうちに分岐を見失い、
意を決して急斜面を直登。
ようやく這い上がった標高600mの
尾根で地図を確認し、たどり
着いたのが薬師峠。
そこには、大きなモミノキの傍らに
六体の地蔵が静かに佇んでいた。
かつて人々が「里」と「外の世界」の
境目として、災厄を払うために
置いた守護神。
倒木に悩まされた後では、
その穏やかな表情の向こう側が、
いっそう明るい世界のように
感じられた。
岩茸山から伝説の稜線へ
この辺りから、森の主役は
常緑樹から寒さに強いモミ
へと移り変わる「中間温帯」。
惟喬親王のものと伝わる
古い墓を過ぎ、北東の尾根
を進む。
P671を左に迂回して水平道を
進むと、西に展望が開け、
北に尾根が見える。
前回は岩茸山を右に迂回して、
水平道を真っ直ぐ行ったが、
次第に道が荒れてきてついには
道が消えて苦労したので、
ここから急坂を登って尾根に
上がることにした。
急坂を這い上がって次のピークを
右に曲がりやっと岩茸山に着いた。
岩茸山(811m)は、山名標もない
静かな雑木林のピークだった。
山名の岩茸はキノコの図鑑には
載っていない地衣類の仲間で、
菌類と藻類との共生体の植物、
キクラゲに似て岩にへばりつく
ように生える。
かつて岩茸を求めた修行者たちに
思いを馳せる。
この尾根に降る雨は、左へ行けば
清滝川へ、右へ行けば賀茂川へ
と分かれる。
まさに、京都の水を分かつ
境界に立っている。
反射板への林道に出ると、
足元には霜柱が立ち、
見上げれば枝にこんもりとした
ボールのようなヤドリギがあった。
ヤドリギは鳥(特にレンジャク類)が
実を食べて種を運ぶことで増えるため
エノキ、ケヤキ、サクラ、ブナ、
ミズナラ などの寄生しやすい大きな
木にあることが多いそうだ。
やがて東に視界が開け、「都眺めの岩」が現れた。
【桟敷ヶ岳の名の由来】
文徳天皇の第一皇子でありながら、
政争に敗れた惟喬親王がこの地に
「高楼(桟敷)」を構えたという
伝説がある。
一方で、古語の「サシキ(焼畑地)」が
転じたという説もあり、
もともとは「焼畑地」を意味する
山名だったが、後から惟喬親王の
伝説が結びついたのではないか。
岩の上からは、比叡山、水井山、そして遠く
北に武奈ヶ岳を望むことができた。
山頂、そして猪肉の宴へ
鉄塔のある広場を抜け、一度鞍部へ
下ってから登り返すと、
ついに標高895.7mの桟敷ヶ岳
山頂である。
二等三角点が置かれた広い山頂からは、
愛宕山や地蔵山がどっしりとした姿を
見せてくれた。
かつての山名標は失われていたが、
積み上げられた石の温もりが、
今も多くの登山者に愛されている
ことを物語っている。
下山は薬師峠から北路を選びました。
こちらも倒木はあったが、南路よりは
歩きやすく、無事に大森サンバレーへと帰還。
冷えた体に、待っていたのは
最高の「ご褒美」だった。
猪肉のボタン鍋と、香ばしい山椒焼き。
冬の北山の恵みを囲みながらの忘年会は、
一日の苦労を笑い飛ばすほどに温かく、
賑やかなひとときとなった。
p>戻る