2025年10月19日(日)
京都府山岳連盟自然保護委員会主催
のキノコ観察会に37名の参加があり、
小学生も4名参加した。
雨上がりでキノコがニョキニョキ頭を
出していて、キノコ観察には絶好の日だった。
講師は京都御苑キノコ会世話役で
関西菌類談話会会員の佐野修治先生。
京都御苑キノコ会は今年で50年
になるそうだ。
挨拶をされた先生が振りむいた
ベンチの下にはキノコがあった。
チチアワタケである。
裏はスポンジ状でイグチ(猪口)
の仲間、フランスではポルチーニと
呼ばれ食用
ツルタケ
テングタケの仲間
和名の由来は、傘の大きさに対して
柄が細長く鶴の立ち姿を思わせる
ことや、灰色がかった色彩が
マナヅルやナベヅルの色と
よく似ている。
ナラタケモドキ
ナラタケに似ているが、 柄の
途中に付着物がない。
役目を終えた老熟菌、それでも
後継者を残そうとしている。
体を食った虫の糞に残って菌を
撒いている。
御苑キノコ観察会からも2人の
キノコの専門家が育って先生の
後継者ができたそうだ。
ヤナギマッタケ
ヤナギなどの木に生える木材腐朽菌。
マツタケとは別の種類(オキナタケ科)。
マテバシイの樹幹についている。
これは寄主の樹木が弱ってきているサイン。
キノコが木を弱らせたのではない。
木が弱ったからキノコが寄生したのだ。
コガネキヌカラカサダケ
幼菌と成菌はレモンイエロー色
老菌は白色。短命で一日で消えて
しまうことが多く、見かけると
「幸運のキノコ」と呼ばれる。
スミレホコリダケ
コツブタケ
溝の石垣にあったキノコ。
キノコ染めに使われ、黄色味が強く出て面白い。
球形のキノコで、基部に柄がない。
成熟すると表皮が上部から崩壊し、
内部が小粒状になる。
独立栄養と従属栄養の話。
植物は光合成によって、成長に
必要な養分を自ずから作る。(独立栄養)
動物や菌類は他者が作った養分を
利用する。
キノコは森の掃除人。
オニフスベ
老菌はカビが生えている体を
崩壊して胞子を放射する。
有難うと言うと菌もわかるらしい。
植物に有難うというと答えて
くれるのは確かとか。
モリノコダマタケ
2023年に日本新産種として
報告されたホコリタケ科の
きのこで、蘚類に寄生。
子実体は卵形~円錐形で、
無性基部(いわゆる「柄」)を欠き、
外皮には刺がある。
御苑では新記載種、発表準備中。
和名を漢字で表現すると
「森木霊茸」で、
「木霊(こだま)」は「森の精霊」の意味。
オチバタケの仲間
この種は同定が困難。
落ち葉を食べて分解し、
土に戻す役割。
木材腐朽菌。
ショウロの話
京都の「亀屋友永(かめやともなが)」
の看板商品「小丸松露」の松露は
イグチ目ショウロ科ショウロ属に
属するキノコの一種である。
天橋立の松林の地中で見つかっている。
西洋松露はトリフであるが松露とは別種。
トリフは日本でも見つかっている。
白トリフ発見。黒トリュフの人工発生に成功。
特定の木(ブナ科のドングリの木、マツ、モミなど)の
根の近くの土中(地下約10~20cm)で
育つキノコの一種。
モミの共生菌
植物の根と一体になり、モミは土壌に
含まれる水分やリン酸などの
養分を吸収し、菌は光合成で得られた
糖分などを受け取る。
共生関係になる菌と植物は決まっている。
外生菌根菌は植物の根の外で共生する。
ブナやマツ、カシ
内生菌根菌は根の中の細胞内に侵入
アーバスキュウールと呼ばれる
樹脂状の構造を形成して共生。
トマト、コムギ、イネなど
コフキサルノコシカケ 粉吹猿腰掛
白いのは成長している傘の端だけで、
上部表面は黄→茶→黒と変化する。
また傘表面は新鮮な頃ニス状光沢。
松葉をくわえてじわじわと成長
腐朽菌は落葉を分解して
地球の緑を守っている。マンネンタケ属。
漢方薬 成菌、老菌、幼菌が揃っていた。
カワラタケ、キクラゲ、アラキクラゲ、ウスヒラタケ
アカハツ
ヒダがオレンジ色、紅葉の始まる時期に出る
ハナビラニカワタケ
食可、美味しい。
しかしクロハナビラニカワタケは毒。
オオワライタケ
梅林で見たとの情報で
探しに行く。
今昔物語に鞍馬山から
女が笑って踊って降りて来たと
言う話が載っている。毒茸
イボテングタケ
有毒だがシカが食べる。
クマが食べてぼおっとしている。
神経系が侵されて笑ったような表情。
麻薬になった事例あり。
シラゲタケ
傘に粗い毛がふさふさしている。
マゴチャクシ
主にモミやマツなどの針葉樹の
切り株に生える。
漆のような光沢のある
柄と傘を持ち、木のように
硬いのが特徴。
マンネンタケの近縁種で
霊芝(レイシ)に分類され、
日本では固有種。
ヒラタケ
スエヒロタケ
菌糸が気管支から肺に入り
スエヒロタケ感染症を発症する。
感染することが知られているキノコは
2種類(スエヒロタケ、ヒトヨタケ)だけ。
今日観察したキノコは35種。
京都御所の記載種は423種。
奈良十津川村5年で412種を記録。
御所も負けてはいない。