清水山観察会
2025年04月27日(日)
9:00丸山公園9:21−9:23用水路せせらぎ9:31−坂本龍馬・中岡慎太郎像−
9:43長楽寺−圓山稲荷−9:54弁財天堂−10:03知恩院大鐘楼−登山口85m
−法垂窟−菊渓 尾根113m 南へ―10:55京都トレイル合流105m−
11:16清蓮院門跡 福徳門220m 11:22−11:27東山山頂公園 展望台
(昼食)12:11−用水池−13:08清水山△212.2m 13:18−
13:30清閑寺石塔177m−13:51清水寺南門付近118m解散
自然観察会である。
円山公園しだれ桜前に
52名が集まった。

17℃肌寒いがよく晴れている。
円山公園の説明
円山公園は、明治19(1886)年に
開園した京都市内で最も古い公園。
地名の由来は、安養寺の山号
「慈円山」に由来するとされている。
七代目小川治兵衛によって
池泉回遊式の庭園に造りあげた。
南にある迎賓館・長楽館は
煙草王とも呼ばれていた実業家の
村井吉兵衛氏が建てた。
1909(明治42)年竣工。
2024(令和6)年、国指定重要文化財に。
「祇園小唄」の碑を見て
ひょうたん池に注ぐせせらぎの
前で観察した。
アゾラ・クリスタータ
アメリカオオアカウキクサ
という名で知られる。
小型の浮遊植物でヒノキの葉のよう、
繁茂すると、水面を覆い、赤く見える。
1990年代あいがも農法のために
移入したものが野生化。
西日本中心に20都道府県に分布。
水面下の水生生物に影響、
水質の富栄養化。
坂本龍馬と中岡慎太郎の銅像
1936年(昭和11年)に京都の
高知県人の有志によって作られた。
「夢」の石碑
寺井玄渓(てらい げんけい 赤穂藩の藩医)
が、元禄15年(1702年)に赤穂藩士が
切腹したことを知り、「夢」の
一字を彫ったと伝えられている。
長楽寺
最澄によって創建された天台宗の寺。
建礼門院(平清盛の娘)が
この寺で出家した。
吉水弁財天
よしみずべんざいてん
良い水が湧き出ていたことに
ゆらいする。
閼伽の井戸は法然上人が用いた
と言われる。
本堂の裏に宇賀神将尊(白蛇)。
慈鎮和上(安養寺中興の祖)を
供養する宝塔。
塔身正面に扉を開き、多宝、
釈迦二仏が並座する
鎌倉時代初期の逸品。
安養寺
慈圓山 安養寺 法然上人が
長年にわたり教えを説いた
場所のひとつ。
延暦年間(782〜806)最澄(伝教大師)が
開創したと伝え、法然・親鸞両上人念仏
発祥の地・吉水草庵として有名である。
そののち、建久年間(1190〜1199)に
至って慈鎮(じちん)(慈円・関白九条兼実の弟)
が中興し、安養寺と称した。
その後、次第に衰微したが、
至徳年間(1384〜1387)には国阿
(こくあ)上人によって再興され、
以後、時宗に改まった。
明治維新の際に六坊は廃寺され、
また火災にあうなど次第に衰微し、
今は門内境内に阿弥陀堂・書院を、
飛地の境内には弁天堂、
慈鎮和尚多宝塔を残すだけである。
知恩院
浄土宗の総本山
梵鐘は日本三大梵鐘の一つ。
高さ約3.3m、直径約2.8m、重さは70t以上
約17人の僧侶が力を合わせて鐘を
撞木(しゅもく)で突く。
山道に入る。
コスミレ
コスミレは、スミレ科スミレ属に属する
多年草で、地上茎がなく、葉柄から
直接花柄が伸びるのが特徴。
シホウチク
竹林になっている。
中国南部原産。明治10年ごろ
高知県に移入。栽培が始まる。
たけのこは10月。
切り口は四角形。
キチジョウソウ
ヤブランに似ている。
キチジョウソウは、淡紅色の
花が咲き、葉脈は3本、
ヤブランは淡紫色の花が
咲き、葉脈は1本。
クサイチゴ
白い花が咲いている。
バラ科キイチゴ属の落葉低木。
日本在来種の野生のキイチゴ。
イラクサ
「イラ」にはトゲ、辛い、ひりひりする
という意味があり、生薬名は
「蕁ジン麻マ」と呼ばれます。
蕁麻疹は、この植物に触れて
かぶれたようになることから
名付けられた。
タラヨウ
赤い実が鞠のように群れを成し、
冬の季節によく目立つ。
タラヨウの葉は常緑で
細長く20cm位、葉はタンニンを
多く含み葉に文字を書くと、
タンニンが酸化し、文字が
浮かび上がる。

法垂窟
(ほうたるのいわや)二祖対面
建仁2年(1201年)に法然上人が
中国の浄土教僧・善導大師に
夢の中で法を授かった場所
と伝わる。
奥に進むと、入口の岩盤に
法然(圓光大師)と善導が
夢中で対面したという「圓光大師
善導大師真葛ケ原御対面之図」
がはめ込まれ、中は洞窟に
なっていて石仏がある。
善導大師は、法然上人に
「法は垂れるものである」と語り、
その言葉から『法垂窟』と
名付けられた。
フイリアオキ
アオキの園芸種 黄白色の散斑がある。
アオキはアオキ科の一属一種。
japonicaの学名を持つ植物
「japonica」という学名を持つ植物は
非常に多く800種ほど存在します。
これはラテン語で「日本の」
という意味を持つため、日本原産の
多くの植物の種小名や変種名に
用いられています。
ツバキ (椿): Camellia japonica
ヤマブキ (山吹): Kerria japonica
アセビ (馬酔木): Pieris japonica
ヒサカキ (姫榊): Eurya japonica
サネカズラ (実葛): Kadsura japonica
センブリ (千振): Swertia japonica
イタドリ (虎杖): Fallopia japonica

イズセンリョウ
伊豆になる伊豆山神社で多くみられ、
果実がセンリョウに似ることから
ついた名とされる。
シカが食べないのです。
真冬に白い実をつけるので
花のないこの季節人気がある。

アリドオシ
葉は対生で基部に1対の刺があり、
大小の葉が交互に付く傾向がある。
棘は葉の2分の1より長い。
オオアリドオシ
ニセジュズネノキ。
棘は葉(3p前後)の2分の1より短い。
ジュズネノキ
オオアリドオシに似るが、葉が一回り
大きく、棘はほとんどないか
あっても短く4mm以下。
根が数珠状 丈夫でよく分枝する。
シロバイ
シロバイはハイノキ科、
葉のふちが波打うち、
葉の表面に光沢があって
きらきらと見みえるのが特徴。
クロバイは字のごとく幹の色が黒、
シロバイは幹の色が白っぽい。
ヤブニッケイ
ヤブニッケイとシロダモは、
どちらもクスノキ科の常緑樹。
葉の裏の色:ヤブニッケイは緑色、
シロダモは白色。
葉柄の形状:ヤブニッケイは
曲がりやすい、シロダモはまっすぐ。
葉の厚さ:ヤブニッケイは薄い、
シロダモは厚い。
香り:ヤブニッケイはニッキ臭、
シロダモには特有の香りはない。
ナナミノキ
常緑の高木で、主に静岡県以西に
生息するモチノキ科の植物。
第二のソヨゴ とも呼ばれる。
違いは花の色。
花の形は酷似、ソヨゴの花色は白。
ナナミノキの花色は薄いピンク。
10月から11月頃に、赤く熟した
実をたくさんつけ「七実の木」
という名前になった。
雌雄異株。葉の一点をライター
などで熱すると、黒い環(死環)
が現れる。
カナメモチ
春に赤みを帯びた新葉が伸びる。
扇子の要(骨組みの留め具)に
使われる。
カナメモチの葉には鋸歯の
跡が茶色く残るのに対し、
ベニカナメモチの葉にはない。
石仏の前に案内柱がある。
左蛍の窟 参丁、知恩院四丁

カシとシイが空を奪い合うように
成長して樹冠を覆っている。
しかし江戸時代まで京都東山は
アカマツ林だった。
明治以降、国有林となり伐採が
制限されたことや、エネルギー革命に
よる薪炭利用の減少などにより、
人の手が加わらなくなった。
適度な伐採は、アカマツ林の
維持に必要だった。
またアカマツの松枯れ被害
などもあって、カシ・シイ等の
常緑広葉樹林帯へと林相が変化した。
高台寺山国有林では、森林の
多様性回復をめざした森づくりを
おこなっている。

ウワミズザクラ
上溝桜・上不見桜 花だけ見ると、
とてもサクラの仲間とは思えない。
コップを洗う細長いブラシの
ような白花を咲かせる。
ウワミズザクラは、花序の枝に数枚の
葉が付いるが、イヌザクラには葉がない。
タマミズキ
モチノキ科モチノキ属。
高木7〜20m、東海から九州の暖温帯の
低山にやや稀。
照葉樹林に交じる。
玉の果実が美しく、全体の樹形が
ミズキに似ている。
葉はサクラに似るが、鋸歯は
目立たない、葉柄は長く赤味を
帯びる。
葉先は短く突き出る。
実は赤で冬でもよく残り目立つ。
落葉樹
イヌザクラ

菊渓谷頭
標柱がある。
ここでキクタニギクの
説明があった。
キクタニギクは菊谷の地名から
名付けられた絶滅危惧種。
別名アワコガネギク。
東北南部から九州にかけて。
谷間の乾いた崖や山麓の
土手に生える。食用にもなる。
菊渓川は東山から高台寺境内の
北を西に流れ、円徳院などの
塔頭群と町家の境界を
南北に流れ、轟川と合流して
西へ進み、建仁寺境内を通って
鴨川に注いでいたようです。
今はほとんどが暗渠と
なっている。
てんぐ巣病
主にサクラや竹などの樹木に
発生する、カビによる伝染病。
枝から多数の小枝が密集し、
ほうき状や鳥の巣状に見える。
花芽がつきにくく、開花時期に
葉だけが出て花が咲かない。
エゴノキ
釣鐘状の白い花を下向きにつける。
「株立ち」が特徴的。
モッコク
別名アカミノ木。
モッコクの特徴は葉の付け根が赤くなる。
葉はヘラのような形、枝先に集まる。
葉脈はほとんど見えない。
モチノキは葉の付け根が
緑色または黄緑色。
カジノキ
和紙などの原材料に栽培。
葉は3〜5裂、成木では不分裂葉が多い。
葉の両面に毛が多い。
実は可食。
シイタケ
天然のシイタケがあった。
ヒラタケも。
巨木が多く残っている。
東山24
京都トレイルに合流する。
将軍塚青龍殿
福徳門を入った所で説明を聞く。
青蓮院は平安時代に創建され、
門跡寺院(皇族や貴族が住職を務める寺)
としても知られている。
青龍殿は青蓮院門跡の本坊
(京都市東山区粟田口三条坊町69-1)とは
別の場所(京都市山科区厨子奥花鳥町28)
にある。
将軍塚
桓武天皇が平安京遷都の際に
王城鎮護のために将軍の像を
埋めたと伝えられる場所。
この「将軍塚」は、国家の大事があると
鳴動したという伝説が、
源平盛衰記や太平記に残されている。

東山山頂公園の東屋で昼食。
24℃暑い。
ミノクサ
蓑草 カズノコグサの別称。
イネ科の二年草。
カズノコグサの小穂は丸く大
きいため、カエルが
飛びつきやすいとされる。
イスノキ
マンサク科の常緑高木で、
高さ20m、直径1mに達し、
南九州の常緑広葉樹林の
代表的な構成樹種。
樹皮は灰褐色。葉は厚くて硬く、
楕円形、鋸歯はなく、よく
虫こぶができる。
スノキ
(酢の木)は、ツツジ科スノキ属の
落葉低木で、葉や実を噛むと
酸味があることから
その名が付けられた。
花は4〜6月に咲き、果実は
7〜8月頃に黒紫色に熟す。
ブルーベリーの仲間で、
日本でも食べられる果樹。
ヤマザクラ
コバノガマズミ
シロダモ

新葉はだらりと垂れ下がって力なく、
情けない姿である。
アオダモとは何の関係もない。
葉の裏をライターで炙ると
蝋がとけて変色する。
コクラン
小型の地生ランのひとつ。
細長い棒状の偽球茎の先から
紫色の地味な花を咲かせる。
ヤマウルシ
ウルシオールを含み、触れると
皮膚炎を起こす。
漆器に利用されるのはウルシのみで、
ヤマウルシは利用されない。
ヤマウルシの葉は小さく、
赤やオレンジに紅葉する。
ウルシの葉は黄色。
リンボク
サクラに近縁の常緑樹。
南方系の樹木で、分布北限は福島県。
花はりんごのようないい香りがする。
新芽は赤みを帯びる。
樹齢が低い木の葉にはトゲがある。
タカノツメ
タカノツメは3枚の小葉で、
小葉に柄がなく、表面は
ツルツルしている。
コシアブラは5枚の掌状の
小葉で、表面に毛があり、
小葉に柄がある。
清水山
242.2m 三等三角点 点名清水山がある。
音羽山とも呼ばれる。
京都トレイル道標18-1
50m先には防空監視所跡がある。
モチツツジ

清閑寺山石塔
東山三十六峰の清閑寺山は石塔の
ところではない。
清水山から南稜を下りて行った
ところにある。
その下に高倉天皇陵がある。
清閑寺の説明があった。
延暦二十一年(802 年)の
創建。高倉天皇を偲んで
天皇陵の近くに建てられた「小督局の
宝篋印塔」、市街を見る要
(かなめ)の位置にある「要石」、
西郷隆盛と月照が会合した「郭公亭」
が知られている。
小督局は能楽小督でも
源仲国は、高倉院の勅使から
宣旨せんじを受け、小督局を探しに行く。
小督局は高倉院が深く愛した
人でしたが、高倉院の中宮の
父である平清盛の怒りを買うことを
恐れて行方をくらませてしまいました。
それがどうやら、京都のはずれの
嵯峨野にいるらしいと聞き、
仲国は馬に乗り、その隠れ家を
探してたずねます。
「峰の嵐か松風か 尋ぬる人の琴の音か
駒をひかえて聞く程に 爪音しきる想夫恋」
清水寺の音羽滝から子安塔を経て清閑寺に
至る杉並木の続く深々とした山路を中山といい、
景色がよく歌人文人らがしばしば歌に詠んだことから
「歌の中山」と呼ばれるようになった。
清水寺の南門付近で解散となった。
25℃
戻る