箱根湿性花園
                             2024年07月26日(金)

京都8:33=(ひかり642号)=10:38小田原10:56=10:59
早川−135号線−11:15小田原漁港食堂11:50−新早川大橋−
JR線−新幹線−12:19箱根板橋12:27=(箱根登山鉄道)=
12:39箱根湯本駅12:52=13:34強羅−13:36強羅バス停14:00=
(ポーラ美術館経由S)=14:28湿性花園16:00=16:03仙谷−
16:19セブンイレブン16:21−16:13 金時山荘685m

暑い。新幹線で小田原について、昼食のため
在来線の早川で下車した。
早川の河口に位置する早川漁港に向かう。
セリが行われる広い漁港の市場が
見下ろされる袖の二階の食堂で
ピッチピチの新鮮地魚の海鮮丼を
食べる。



早川漁港は、室町時代の前後に出来た
と推測され、江戸時代にはすでに
現在のような活気があったそうだ。
元は陸地であった場所を掘込み式で
整備した。

周辺には飲食店や水産物の
みやげ物店、釣船の船宿などが
軒を並べている。

箱根登山鉄道に乗るため
2kmほど北に歩く。
「石垣山一夜城」の案内板がある。
天正18年(1590)豊臣秀吉が
小田原北条氏を攻めるため
総石垣の城を築いた。

国道1号線に出て、やっ
と箱根板橋駅に着いた。
箱根というがここはまだ
小田原市。

箱根登山電車の下り箱根湯本行に乗る。
ほぼ早川にそって走る。
古来早川は芦ノ湖から流れ
相模湾に注いでいた。



寛文10年(1670)湖尻峠の下に
トンネルを作って芦ノ湖の水を
静岡県側へ流し、かんがい用水とした。
大正12年(1923)、東京電灯の
深良発電所の業務が開始されてから、
芦ノ湖の水が年間を通じて早川に
流れなくなった。
そのため急流早川の面目が
失われてしまった。

箱根湯本からは強羅方面は
箱根湯本乗り換える。
出山信号場、大平台駅、上大平台
信号場の3ヶ所でスイッチバックを
行ない、そこでは運転士と車掌が
入れ替わる。

名所は出山鉄橋。
塔ノ沢駅を出て早川に掛かる橋だが
1舜で見逃すが、電車はぐるりと回って
走るので出山信号場の手前で下方に見える。
皆いっせいにシャッターを切る。
出山鉄橋はかって東海道本線天竜川
に架けられていたが、後に
登山鉄道に移設され、大正6年に完成。
現存する唯一の錬鋼混合200ft桁で、
日本の鉄道橋としては現存最古の鉄橋であり、
技術史的にも価値があるため
文化財登録された。
強羅で降りて南に歩くと雪月花温泉の
前にあるバス停でバスを待つ。
施設めぐりバスの「湿生花園行」で約30分。



箱根湿生花園は入場料700円。
係りの人にヤマユリは見られますか
と聞くとあっけにとられていた。
ヤマユリは箱根自慢の花で
どこにでもある。
わざわざこれを聞くか。

ヤマユリは日本の固有種で、
欧米で品種改良の親となり、
カサブランカなどが生まれた。
カサブランカは、明治時代に日本から
輸出されたタモトユリを1970年代に
オランダで改良された栽培品種。



入場するとすぐ近くにとげに
包まれたサンショウバラの実があった。
サンショウバラは葉がサンショウに
似たバラ。
別名、ハコネバラ(箱根薔薇)。

タマアジサイ 開花前の総苞に
包まれた白い球が印象的。

サギソウ 姫路市では、市の
シンボルである白鷺城(姫路城)に
ふさわしい花として、
昭和41年8月にサギソウを
姫路市花として制定した。



池にはコウホネ(河骨)の
黄色い花。
底泥中を這う白い地下茎が
骨のように見えるとか。

ミズアオイ(ポンテデリア)。
コヨメナ。
ヤブカンゾウはオレンジ色の八重の花。
カワラナデシコ。







フシグロセンリョウは橙色の花、
芽の節のところが黒い。

ミソハギ、カライトソウ、ハコネギク。
レンゲショウマは日本固有の
1属1種の植物で、シャンデリアのように、
大きな美しい花を無数にぶら下げて咲く。

シラヒゲソウ、カセンソウ、クサレダマ、
イワナンテン。





  奥にはとても広い仙石原湿生植生復元区がある。
木道を歩いて草原を散策した。

かつて仙石原湖と呼ばれる
箱根カルデラの湖があったが、
約2.2万年前の神山の噴火により湖が
二つに分断され、仙石原側が湿原化した。

仙石原の名の由来は、源頼朝が
「この地を拓けば、千石ほどの米が獲れよう」
と言ったことによるそうだ。



植生復元区は仙石原湿原側にある広さ
約2 haの区域で、地元の湿原植物を
維持管理している。

仙石原湿原は立ち入り禁止と
なっているので、湿原の花々を
観察することが出来ない。
そこで、植生復元区では
仙石原湿原の花々を保護しながら
観察出来るようにするため、
実験調査が行われている。
1月には昔行われていた野焼きが
行われている。



「世界の食虫植物展」が開催されていた。
毎年恒例とか。

湧水の流れる一角に生水苔を敷きつめて
食虫植物が植えられている。
虫メガネで 捕らえられた虫を見ることができる。

ゲンリセアの仲間は南米とアフリカ
熱帯雨林の湿地に生える。
地下には逆Y字型の虫を
捕らえる葉をもつ。
葉はらせん状でらせんの
切れ込みから入った虫は水と
一緒に上へ上へと吸い上げられる。
虫を貯めるふくらみがあり消化が
おこなわれる。

ムシトリスミレは高い山、寒冷地の
湿った岩地や湿原に生える食虫植物。
葉の裏に粘液を出す毛があり、
虫をくっつけて捕まえる。
大きな虫は捕らえられない。
消化液が出て葉の裏から虫の養分
を吸収する。







コウシンソウ(タヌキモ科、ムシトリスミレ属)
は栃木県庚申に自生する日本固有種の
ムシトリスミレ。
標高1.500m以上、数時間間隔で霧が立ち込め、
真夏でも最高気温が20℃に達することがない環境。

ウツボカズラは熱帯地方のボルネオや
スマトラに生える食虫植物
サラセニアはアメリカ南部〜東部の
湿地に生える食虫植物。
虫を捕まえる袋は筒状




ハエトリグサ 虫が葉の中に入り込み、
内部の感覚毛に2回触れると素早く葉が閉じる。
虫がもがくと、葉が虫を締め付ける。
消化・吸収して葉が開くまで7〜8日かかる。
ムジナモ 水中で葉を開いて待ち虫が
感覚毛に触れると0.02秒の速さで閉じる。

タヌキモ
ミミカキグサ 小さな草で葉はコケのようで
茎は浅い地中をはっている。
葉と茎の付け根に袋があり、虫が
袋の扉に触れると虫は水と一緒に袋に吸い込まれる。

モウセンゴケは箱根仙石原にも自生している。
虫が葉の毛に触れると粘液でくっつく。
虫がもがくと葉の運動がおこり毛の先から
たくさんの粘液をだす。
粘液に含まれる消化液で虫から
養分を吸い取る。


捕虫方式でまとめると。
落とし穴式:ウツボカズラ科、サラセニア科など

粘着式:モウセンゴケ科モウセンゴケ属、タヌキモ科
ムシトリスミレ属、ドロソフィルム科ドロソフィルム属など。
一部は葉が動いて虫をはさむ。

はさみわな式:葉ではさんで捕らえる。
モウセンゴケ科ハエトリグサ属、ムジナモ属

袋わな式:水中で袋の中に虫を吸い込む。
タヌキモ科タヌキモ属、
に分けられる。


湿性花園を出てバスで仙谷に移動、
西に歩いてコンビニを見つけ
明日の金時山登山の弁当を確保。
金時山荘に到着した。
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