長老の家に向かうそれは今、最もしてはいけないこと……

私の予想があっていれば、村人は………。

なに辛気臭い事考えてるのよ!覚悟は出来てるんでしょ!私!

玄関の戸を開けた。

『本当に一人で行くのだな………。』

「ええ、大丈夫!行ってくるわ」

うまく作り笑いできたかしら………。

村に向かう最中は、ずっとギルバートが居た時間を考えていた。

崖下にいた彼を助けた事。

村に一緒に行った事。

私とレグルスをかばってくれた事。

一緒に食事をした事。

私のために最後まで……イドロットのことを黙っていた事。

私はとっくに知っていたの……。

その後の事も、気づいたから止めようとしたのに、剣もないのにヴリトラに勝てるわけ無いわ!

私が、彼を振り回して……酷い目に合わせた……。

自分を責めても、今更何も戻らない。ギルバートとの生活も、レグルスとの続くはずだった楽しい日々も。

村に入ったら

私はきっと、地獄を見る。

そして悪魔になる……。

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