15年以上も前に描いた絵が出てきた。以前勤めていた時、校内写生会で生徒と一緒に描いたものだ。そのころは絵の道具など持っていなかったから、きっと生徒に借りて描いたのではないかと思う。右側の赤い屋根の建物はその当時の森本小学校である。今は小学校移転に伴い取り壊されて、その姿はない。
そういえば小学校のまわりに幅50センチメートルほどの溝があり、ここにはいつもきれいな水が流れていたのを思い出した。 この溝は、小動物の格好の住みかだった。メダカ、フナ子、ドジョウ、ハヤ、オイカワなどの魚やアメンボ、ミズスマシ、ケンゴロウ、ヤゴなどたくさんの生き物が暮らしていた。同僚の中にも、こういった世界が好きな者がいて、よく一緒に見に行ったのを思い出す。そんな中で印象的だったのは、ギンヤンマの羽化だ。背中を割り、中から空を飛ぶための体に変態する羽化が次々に始まる。
それは命がけだった。
2001,9,24