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クラッベ病について

■ どんな病気?

 先天性代謝異常症の一つ。ライソゾームにある酵素が、遺伝子の異常によって欠損することにより、分解されないものが蓄積し、その影響で末梢神経・中枢神経が脱髄していく、進行性の病気である。脱髄が進むと、神経細胞が死んでしまうことにより、これまでできていたことが、徐々にできなくなっていく。発症年齢の違いにより、乳児型(3〜6ヶ月で発症)・晩期乳児型(6ヶ月〜3歳で発症)・若年型(3歳〜10歳で発症)・成人型(10〜35歳で発症)に分類されている。
 根本的な治療法はなく、乳児型の場合は病期は1年未満で、通常2歳以内に亡くなってしまうといわれている。晩期乳児型では1〜3年、若年型では5年以上、成人型で10年以上とされている。発症年齢が遅くなるにつれて進行は緩やかになっていく。

■ 原因は?

 常染色体劣性遺伝の疾患。病気の原因をおこす遺伝子が常染色体の上にあって、父親からも母親からも同じ病気の原因となる遺伝子を受け継いではじめて子どもにその病気があらわれるもの。病気の原因となる遺伝子を一つ持っていても、もう一つが健常な遺伝子ならば病気はあらわれない(保因者という)。遺伝子座は14q31にある。
 ガラクトセレブロシダーゼ(GALC)という酵素の欠損によって、ガラクトセレブロシドや、ガラクトシルスフィンゴシン(サイコシン)が分解されずに蓄積する。蓄積したもののうち、強い細胞毒性をもっているサイコシンが、神経線維を覆っているミエリンという皮膜の形成に障害を引き起こす。その結果、傷つけられた神経細胞が最後には死んでしまう。
 うちの子どもたちの場合、血液と、皮膚の細胞を使って酵素活性を調べ、ガラクトセレブロシダーゼの活性が低かったため、クラッベ病の若年型と診断された。また、確定診断が出たとき、MRIの画像で、脳内の視覚を伝えるであろう部分の白質の変性がみられた。まあくんについては、眼底の検査で視神経の萎縮もみられた。また、髄液の検査で神経が壊されたときに出てくるタンパク質も多く含まれていることがわかった。時を同じくして、まあくんは歩きづらくなり、車椅子を手配した。

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若年型について
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