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ー鍛冶工房へようこそー

 ここでは大まかに、刀の出来るまでの工程をご紹介いたします。とは言っても、日本国内ではおそらく弥生時代から鉄の刀は造られていたと思われます。実際に日本で見つかった古い時代の刀といえば、古墳から出土したものがあります。それらは反りの無いまっ直ぐなもので、中には諸刃の剣も有りました。それ以降長い時間が流れ、刀がだいたい今の姿になったのは平安時代の中頃のようです。更に、平安時代以降も時代により戦闘様式が変わり、それに伴い道具としての刀の姿は少しづつ変化しました。又、素材の鋼も最初は輸入に頼っていた物が、やがて国産の物になり、時代とともに生産方法も変わり、それに伴い、加工技術が変化し、その時代時代の、様々な刀の造り方が工夫されたようです。

 現在は、主に玉鋼(たまはがね)を使うようになった、江戸時代以降の刀、新刀(しんとう)の作り方が伝承されていて、一般的には、刀といえば玉鋼から造ると思われていますが、実際には室町時代以前の刀、古刀(ことう)の造り方は、使われた材料とともにほとんど解っていないのが実情です。

注: 刀の世界では慶長以前に作られた刀を古刀(ことう)と云い、それ以降に作られた刀を新刀(しんとう)として区別しています。時代区分でいう安土桃山時代はその過渡期に当たります。

 私は江戸時代以前の刀鍛冶が行っていたであろう古い刀の作り方や、製鉄方法を主に研究しているのですが、まだまだ総てが判っている分けではありません。そこで、ここでは今私の工房で行っている作刀方法や、一般的な江戸時代以降の刀鍛冶の作刀方法を取り混ぜて紹介いたしましょう。もちろん刀鍛冶には色々な流派があり、各々特色の有る刀の作り方をしているので、以下の手順は一つの例でしかありません。

(刀の焼入れ)

刀の出来るまで目次

1 リサイクルのエース 卸鉄          (97.07.18.掲載)

2 良い地鉄は良い鋼からから 水ベシと選鋼   (06.04.22.更新)

3 驚きの元祖メカニカルアロイング 鍛錬    (97.07.16.掲載)

4 ハイブリッド構造 ハイテク技術の造り込み  (97.08.13.掲載)

5 鎚で打ち出す刀の姿 素延べ 火造り     (97.11.11.掲載)

6 職人技の見せ所 生仕上げ              (工事中)

7 人事を尽くして天命を待つ 土置 焼入れ   (98.02.09.掲載)

8 刀の反りはここで決まる 反り直し          (工事中)