蕎麦の切り巾 --- そばの太さ・細さ ---        
     江戸後期か明治に入って、江戸のそば職人によってそばの切り巾についての御常法(御定法)が確立された。その背景には、そばを切るのに特化した包丁と定規の役割をする小間板(駒板)が同時進行的に出現したことによると推測される。
    そばの太さ ・細さを、畳んだそば生地一寸幅(3.03cm)を23回で切るのを基本として「中打ち」としている。(これより太く打った場合を「太打ち」、細く打つと 「細打ち」である。)

    中打ち」は「切りべら23本」といって、畳んだそば生地一寸(3.03cm) を23本に切る。従って一本の切り巾は約1.3mmとなる。(このそばの断面を考えると、 生地の厚みを約1.5mmに延ばしたとすると多少縦長ぎみの長方形になっている。)
    これに対して、「太打ち」は「切りべら15〜10本」で切り巾は2mmとか 3mmの太さになり、地方で出会う太い田舎そばなどに相当する。
     「細打ち」は変わり蕎麦などに多く、「切りべら40本ほど」だから切り巾が 0.8mmくらいの細いそばで、さらに細いのは「極細打ち」になる。

     *「切りべら」は「切平」:延した厚さよりも切り巾を薄く、この反対は「のしべら(延平)」 で延しの厚さより切り巾のほうが広い形をいう。


     これらの蕎麦の切り幅を 具体的に表したのが下のスケールです。

       → 「切りべらスケール」
                      
     スケールはイメージ画像です。クリックするとAdobe Acrobat画面に変わり、
     プリントすると正しいスケールがCopyできます。
     (ただし、Acrobat Reader が必要です。)
            

          (スケールはそば打ち仲間・古藤康雄さんが作りました)
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