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料理塩梅集
 
江戸時代初期の料理書のひとつ。寛文8年(1668)に書かれ、著者は塩見坂梅庵。蕎麦切方の中に、そば切りの製法をくわしく記した書で、特に、そば粉のひねる(鮮度が劣化して古くなる)夏には、うどん粉をつなぎに使うと良いと書いている。 「第一新そばよし 挽きぬきよし せいこうのふるひにてふるひ 黒皮あらば箸にてえり捨て挽也 四季共に水にてこねる也・・・・   ・・・右は冬の也 夏はそば ひね申候故 少うどんの粉 そば一升に三分まぜ こねるが能候」とある。「うどんの粉」すなわち小麦粉をそば粉に混ぜてこねる」とある。
「小麦粉によるつなぎ」については「江戸の初期に奈良・東大寺へ来た朝鮮の僧・元珍が伝えた」とする本山萩舟著の飲食辞典があるが出典がない。その意味では、つなぎに小麦粉を使う割粉の初見は「料理塩梅集」であろう。
[ことわり]「料理塩梅集」は、写本でのみ伝わっているもので、翻刻を掲載した雑誌論文として松下幸子・吉川誠次「古典料理の研究(二):料理塩梅集について」(『千葉大学教育学部研究紀要 第25巻 第2部』千葉大学 1976.12 p218-166)がある。尚、当論文は国立情報学研究所(NII)が提供する論文情報ナビゲータCiNiiにて公開されていて、これらを参照にした。
 
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