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大根おろし汁
 
そば切りの早い時代、すなわち醤油が普及していなかった頃、そばを大根おろしの汁にたれ味噌を溶いて食べる地域が多かった。例えば、高遠そばは辛味大根の絞り汁と味噌を溶いて食べ、これが会津に伝わったともいう。福井県の「越前蕎麦、越前おろし蕎麦」は大根のおろし汁にだしを注ぎ、好みの量の生醤油を加える郷土そばが健在である。記録として最も早いのは、寛永13年(1636) 信濃・中山道の贄川宿で堀杏庵という儒学者の紀行「中山日録」で「蕎麦切ヲ賜、・・・蘿蔔汁ニ醤ヲ少シ加ヘ、鰹粉・葱・蒜ヲ入レ・・」とある。、蘿蔔汁は大根の絞り汁のことで、元禄10年(1697)刊行「本朝食鑑」も寛延4年(1751)脱稿「蕎麦全書」も「蘿蔔汁は辛辣のものが良い」とある。今でいう辛味大根のことである。*蘿蔔(らふく=大根)
 
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