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ハリコシ
 
「梁越そばまんじゅう」と呼ばれる熱い灰の中で焼いた蕎麦餅のこと。長野県南佐久郡川上村の郷土食。お椀に入れた蕎麦掻きをそば粉をまぶしながら、家の梁を越すほど高く放り上げ、落下するのを椀で受け止めるのを繰り返す。これを炉端か熱い灰に埋めて焼き上げ、甘味噌やゴマ醤油をつけて食べる。*以下は、島崎藤村の「千曲川のスケッチ その六 山村の一夜」から抜粋した。「・・・その辺は信州の中でも最も不便な、白米は唯病人に頂かせるほどの、貧しい、荒れた山奥の一つであるという。君はまだ「ハリコシ」なぞという物を食ったことがあるまい。恐らく名前も聞いたことがあるまい。熱い灰の中で焼いた蕎麦餅だ。草鞋穿で焚火に温りながら、その「ハリコシ」を食い食い話すというが、この辺での炉辺の楽しい光景なのだ。」
 
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