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そば屋の二階
 
上方浮世絵師の第一人者・西川祐信が京都のそば屋の二階を「笑い絵(春画)」との組み合わせで登場させている。宝永8年(1711)刊「色ひいな形」で、画面左半分(一階)ではそば職人がそばを立って延していて、画面右半分(二階)では男女の逢い引きの場面を展開させている。この時代、そばを立って打っている図としても珍しい。池波正太郎は、小説・鬼平犯科帳のなかで蕎麦屋の二階をたびたび登場させている。多くは見張りのためであるが二階の小座敷であったり二階座敷で、もちろん酒と蕎麦がはこばれている。長谷川平蔵は歴史上の実在人物で、火付盗賊改方の長官に着任したのは天明7年(1788年)である。実録の年代を小説の舞台と照らすことはできないが、早い時期に京都のそば屋で二階が重宝されていたことがわかる。
 
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