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河漏  かろん かろう
 
「かろん かろう」。言葉の背景に、江戸時代から「そば切りはいつどこで誕生したか?」という議論が盛んであった。 享保19年(1734)刊行の「本朝世事談綺」によると「もろこし(中国)」の河漏津という港の名物になっているそば麺とする。そしてこれが日本のそば切りだとしている。ただ、中国をふくめこれを裏付ける事柄はみあたらない。「蕎麦切  中古二百年以前の書、もろもろの食物を詳に記せるにも、そば切の事見えず。ここを以て見れば、近世起る事也。もろこし河漏津と云船着の湊の名物、茶店に多これを造る。よって河漏と云。是日本のそば切の事也。・・・」とあって、二百年遡っても蕎麦切について書いた書物は出てこなかったとして支持された一時期があった。これが「河漏(かろん かろう)」という言葉の出典である。 ただ、この説に対しては実態がよくわからないという見方が大方であり、この地名については中国でも見当たらないともいう。一方で、この説がもとになって河漏はそば切りの事だとする書物や事例はいくつも残っている。
*本朝世事談綺の項参照
 
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