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辛味大根
 
そば切りの食べ方の初期の記録から大根のしぼり汁が登場する。蕎麦全書にも「蘿蔔汁至極辛辣のものを用ゆべし(大根汁は至極辛いのが良い)」とあって辛い大根がそばに合うとされて重用されてきた。辛味大根の多くは、肉質が硬く水分が少なく、大根の辛味成分を多く含む品種である。それらは、在来種の古い地大根に由来するものや、細々と自家栽培で伝えられてきたもの、さらには野生種を選抜育種したものなど、地域それぞれの特性や独自の個性を受け継いできたものが多い。現在は辛味大根の品種は多いが、江戸期に各藩が幕府に報告した産物調べでは、一部の藩にのみ「からみ大こん」または「鼠大根(祢つミ大こん)」を産すると個々の品種として報告しているので、この時代「辛い大根の総称」としての辛味大根はなかったようだ。
 
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