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 木鉢 (こね鉢) 「素人のそば打ち道具入門」
     そば打ちを初めたばかりで、まだ経験を積む前に欲しくなって最初に買いがちな道具で、しかも、少しでも経験を積むと後悔することになる道具の代表は小さすぎて使い勝手の悪い「木鉢(こね鉢)」と「そば包丁」である。
    木鉢が恰好よく見えてほしくなっても、初めの頃は台所にあるできるだけ大きなボールなどでしばらく代用するか、なければ大きめのステンレスボール様のものを買っても充分使えるし、後々も別の用途(例えば、そばを洗ったり、氷水を入れたり)でも使い道があって重宝することもあるが、赤と黒の見せかけだけは本格的な木鉢は、小さすぎるのはどうにも使い勝手が悪く、せいぜい寿司を盛ったり菓子を入れたりする程度しか使い道がない。包丁も同じようなことがいえる。

     そば打ちを始めたばかりのわずかな知識で、これからどの程度までそば打ちをするのかも分からない段階では急いで道具を買わないほうがよい。
     

 初心者用の場合
     赤と黒の格好の良い木鉢(こね鉢)はどっしりして安定も良いが、ほんとうは、もう少し慣れるまで我慢してもよいと思う。
    左側の写真は木鉢と篩いで、奥にあるのはいずれも38センチ径のステンレスボールで左は深く、右は浅いのを見本に並べてみた。直径38センチもあれば500g(約五人前)程度のそば粉は充分打てる。(ここでいうそば粉とはつなぎも含めた粉の総量の意味)
    ただ、軽くて不安定だから必ず濡れタオルや滑り止めネットを下に敷くなど工夫が必要で、本格的なそば打ちには不向きであるが・・・ 。
 中級クラスになってくると
     黒と赤(黒内朱)などの格好の良い木鉢(こね鉢)が欲しくなる時期である。
    上物の木地・漆塗りなどは高価だが、樹脂漆仕上げ、樹脂ウレタン仕上げなど手の届きやすい価格帯で材質・種類も多く、形状にも浅型・深型などがあって選択の幅が広がる。 
    材質・製法が同じ場合、一般的にはサイズと値段は比例して高くなる。むつかしく材質などにこだわらなければある程度の大きさでも一万円ちょっとくらいから木鉢は選べる。

    仮に、打つそば粉の量をそれぞれ・・500g・1000g・1500g・・などで考えると、木鉢のサイズも粉の量が少ない順に、・・ 尺5寸(45センチ)、尺6寸(48センチ)、尺8寸(54センチ)・・くらいが適当と考えるとわかりやすい。

     上の写真右側で、 大きい方は尺8寸、小さい方が尺6寸
     * 尺(しゃく) : 1尺=30.3pだから 尺8寸=1尺8寸=30.3×1.8=約 54

    例えば、いつもこねる量が500g(5人前分程度)くらいの小玉の場合は尺5寸くらいでいいが、1000g(10人前ていど)のそばを打つなら尺6寸もあれば充分。1500g(15人前程度)を一度に打つなら尺8寸あたりが使いやすいと考えれば良い。
    先にも書いたが木鉢は同じ種類で比較すると大きさ毎に値段も高くなっていく。それ自体図体もでかいので使い勝手と同様に日常の保管についても考えながら選ぶように心がけたい。

     木鉢の周辺情報としては本来、木製のものを「木鉢」と言って値段も数万円のものから十万・二十万・・など上にはきりがない。一般的に二尺(60センチ)が二キロ玉を捏ねる標準サイズのようで、尺8寸、2尺、2尺2寸、2尺4寸などもあるが、わたしたち素人がそば打ちを楽しむ範囲では関係のない大きさかも知れない。

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