私たちが体験したセブセブの儀式



 今回の研修中、私たちはセンターの入所や植林の村、CFP学校訪問時など、幾度かセブセブの儀式を受けました。セブセブの儀式では必ずカヴァという飲料が用いられます。ここでは私たちが体験したセブセブの儀式について紹介したいと思います。

カヴァとは

 

カヴァとは、ヤンゴーナ(ヤンゴナ)という胡椒科の植物の根を乾燥させて砕いたものを布でこし、タノアと呼ぶ大きな木鉢で水と混ぜたもので、泥水のような色をしています。メチスチシンという麻酔成分が含まれているため、飲むと舌がしびれるような感じがします。カヴァはオセアニア地域で広く飲用されており、慣習上の行事や客をもてなす際には不可欠な飲み物となっています。

 



儀式の様子

 私たちが座につき、会場が静まると、ヤンゴーナの根を抱えた人が何かを話し始めた。話の途中でときどき「ヴィナカ(フィジー語でありがとう、素晴らしいなどの意)」という声が入るものの、正直言って何を話しているのかはわからない。話が終わって、タノアをこすりながら短い言葉が唱えられたあとタノアにバケツ1杯ほどの水が入れられ、数人の青年が使い古した布でヤンゴーナの粉末を包み込み、タノアの中でせっせともみ始めた。カヴァが出来あがると地位が上の人から順にカヴァが渡されていくのだが、カヴァの飲み方にも作法がある。ココナッツの殻につがれたカヴァが目の前に差し出されたらまず1回手をたたいて受け取る。するとカヴァを持ってきた人が3回手をたたくので、手をたたき終えるのを見届けてから「ブラ!(フィジー語でこんにちはの意)」と言ってカヴァを一気に飲み干すというものである。カヴァの味はまさに根の味で、最初はとても好きになれなかったが、何回か杯を重ねるうちに好きになっていった。というより、私たちは儀式が進むにしたがい緊張感が和らぎ、場が和んでいく感じが好きだったのかもしれない。カヴァを飲み終わった後はときによって現地の人々とダンスをしたり、歌ったりすることもあった。今回の研修中、私たちはどこへ行ってもこのような手厚いもてなしを受け、貴重な体験となった。



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