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cd review "O"

Orbオーブ / Techno

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Bicycles & Tricycles [2003/V2CP153/#12][HMV]

テクノ界の巨匠アレックス・パターソンによるプロジェクト「Orb」の通算7枚目に当たるアルバム。いや「巨匠」とか訳知り顔で言ってるけど、実はFixedでNINのリミックスをやってた事とnew beatleの宣伝音楽をやってた事ぐらいしか知らなかったりする。前からOrbのアルバムを買おうと思ってたんだけど最近出たアルバムで評判を聞かなかったから保留してたところコレが発売され、しかも公式(※音が出ます)でM1 From A Distanceを試聴したらゲロるほど良かったので購入。

御承知の通り「テクノ」と言う括りは非常に広義かつ曖昧なものであって、テクノの下に枝分かれした無数のジャンルはたとえばアンビエントとブレイクビーツのように全く違う方向を持っていて、「言葉上の定義」こそあれ「実際の音楽で一概にテクノといえばこんな音楽!」と言うお手本は存在しないんだけど、そんな中でOrbの音楽は純粋な意味でのその「テクノ」ミュージック(それはつまり凡百なのではなく、ジャンルに囚われない唯一性を持っていると言う意味)なんじゃないかなぁと思う。ジャンル=Orbとでも言おうか、これは他のアーティストで言えばアンダーワールドなんかも「テクノ」以外の形容がしっくりこない・「プログレッシブハウス」と言う言葉がどうも馴染まない音楽で、それとよく似ている。

んでそんな感じのこのアルバムですが、優しくダークな曲をメインに作るOrbには申し訳ないがやっぱり特筆すべきは傑作ダンスビートのM1 From A Distanceであり、宇川直宏氏の手がけたPV(公式の「Visual」で一部視聴可)があまりに傑作すぎるのでもうそれだけでいいから是非見ておけと。見ていて動悸・息切れを起こす(それはそもそも「ドラえもん」が今の俺を形作る上で8割ぐらいのウェイトを占めると言う超巨大なバックグラウンドがあるのも大きく関係しているんだろう)ぐらいの素晴らしい映像。2:35あたりからの音楽を楽しんでいるカットとか見てたらホントに胸が一杯になる。何げに端々でアレックス氏本人も出演してやがるし!!アホか!!(←最大限の羨望と並以上の賞賛)

Oh lord me tell you, better than the best oh yes!