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cd review "D"

Def Techデフ・テック / Rap, Reggae, HipHop

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Def Tech [2005/IL-001/#9][Amazon]
ぐうぜん見た横浜タイヤのCMで聴いた歌がなんか爽やかと言うか嫌味のない音楽でものすごく印象に残ったので色々調べてみたら、どうやらハワイアン外人と日本人のヒップホップグループであるところのDefTechの「My Way」なる歌らしいことが分かり、公式のサンプルも良かったし・Amazonにもあって・1500円と安かったので、こりゃ買わない要素がみあたんないなーと言う事でCDを注文。

デビューアルバムとは、1500円とは思えないすごく良いアルバム。ヒップホップをベースに本人達が言うようにレゲエの要素が色濃く出ていることは出てると思うんだけど、おれが「レゲエ」に持ってたある種のヤニ臭さみたいな悪いイメージは全然見当たらず、むしろ軽快でアップテンポで2人ともラッパーにしては声が高くハモってる部分には感動すらおぼえ、英詞部分は物凄く綺麗な発音だし(金髪白人でラップやってるのエミネムぐらいしかしんないから物珍しさもある)、音楽はRip SlymeとかKick the Can Crewとか・いわゆる日本のヒップホップとそこまで大きく違うことはないと思うんだけどなんか洋楽を聞いてるような感覚。いやまぁ実際英詞が半分なんだけど。

Dragon AshもビックリなむちゃくちゃファンキーなM1とか、南国生まれ南国育ちで南国暮らしの奴じゃないと作れ無さそうなM2、ずるいぐらい格好良過ぎるM3にあと例のCMで使われてたM4とか、洋邦問わずラップミュージックには疎いおれが聴いてもすごく良いと思える曲ばかりでこの値段とはお得感満点なアルバムなので、公式のサンプル聴いて「おっ」と思った人は買っといてあんまし間違いはないと思う。あとこのひとたちはCMタイアップもあってこれからぐいぐい売れてくと思うんだけど、なぜか歌詞カードに半分ぐらいしか歌詞が載ってないうえに曲順も前後してたのが謎っちゅうか、順番が違うぐらいはいいんだけど抜けがあるのはなんなんだ。どれも英語と日本語が半々だから歌詞カードないと分かんない(あっても分かんないし、カラオケじゃ歌えないけど)のにな。

電気グルーヴデンキグルーヴ / Techno, Pop

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YELLOW(初回限定盤) [2008/KSCL1294-5/#11+6][Amazon]
電気と言えばバカ!バカと言えば変態!変態と言えば電気!と言われてるかどうかは知らないけど、日本のテクノポップス界を代表する二人組みユニット電気グルーヴ(≠「ブ」「プ」)の何枚目かのオリジナルアルバム。今調べてみたら今年頭に出てた「J-POP」が8年ぶりのフルアルバムだったらしく、そこまではブランクが長いんだけどそっからだとたった半年振りの新作らし。長らくこの人たちの音楽聴いてなかったんだけど、最近MくんがWIRE行ったり今度のライブ行くとかでにわかに話題に上っており、丁度アルバムも出たことだし久々に聴いてみるかーと言うはこびで買ってみた。ジャケはどうみてもピカキー(←ブギーナイトネタ)。

んー、適当だけどアンダワっぽくなった、かな?最近はずっとこんなのかも知らんけどだいぶオーソドックスになったというか、調子が全然変わらないでずーっと4つ打ちの地を行ってるかんじ。イマイチ盛り上がりに欠ける。さんぷんまるのうた(これはリズムもメロディも歌詞の音も、どれもが相当すばらしい)とかアキメフライとかキャッチーでかなり好きなんだけど、好きなんだけど、うん。天然で素で純度100%の四つ打ちはやはりおれにとってそうめんみたいな存在だ。ある程度までは満足して食べられて、途中から飽きてきて、でも大半が水だからなんとなく薬味で食えてしまう。あとまた時間が経つと無性に食いたくなる、そんな存在。アルバム全体としてはこぢんまりとしてて流し聴くには良いけどそんなにオススメはしない感じか。

2008/04/01に行われたリキッドルームのライブ映像がオマケでついてるので久々にプロジェクタで「DVD」を視聴。この低解像度感よ!パッと見てると、ライブスタイル変わったと言うか、おれが知ってる電気のライブってバブル全盛期っぽいアレぐらいから更新止まってるからなー。場所が場所だからか知らんけど、だいぶこじんまりしてる印象。あと卓球氏ってこんなにデブのおっさんだっけ?やっぱりセンター分けしてトレーナー着てるひろゆきみたいな兄さんしか思い浮かばないんだぜ(←古い)。

ライブの曲はモノノケダンスぐらいしか盛り上がってないような気がするなぁ。あと歓声とか入ってる割にCD音源みたいに物凄い音質良くてびっくりした。暴れてもいないし舞台も壊れないし水着のおねーちゃん出てこないし、と言う映像の寂しさを音でカバーしてる・・・と思ったらカフェ・ド・鬼ががが!これは好きだっていうかみんな盛り上がってるなー。いいなー。それにしても、ピエール氏も卓球氏も老けたなぁ。Mくんの話では大きいイベントのライブアクトはいまだにバカ爆発してるらしいけど。

DJ Shadowディージェー・シャドウ / HipHop, TripHop

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Preemptive Strike [1998/540867/#11][Amazon]
インストゥルメンタルでHipHopをやってしまおう!と言うことでターンテーブル回すんだけどラップの無いヒップホップを作ってしまったアメリカ人Josh DavisのソロプロジェクトであるDj Shadowのインディーズ時代の曲を集めたCD。日本が大好き、かどうかは知んないけどブックレットには何故か日光の地図があったり。トリップホップと言うジャンルは日本で言うところのDj Krushと芸風が被ってると言えないこともない感じがするんだけど、両方ともそんな詳しく知らないので「ファンキーな方が日本人、暗い方がアメリカ人」程度の認識でいいか。

アマチュア時代の音源と言う事でか、11曲ある内の2曲はメッセージでイントロの1曲目は25秒トラックなので実質音楽らしい音楽は8曲で、作られた年代もバラバラなようでアルバムとしてのまとまりは「暗い」以外に無いんだけどそれでもちゃんと聞けるかんじ。4連作であるM5-8のWhat does your soul look likeで楽曲同士の直接的な繋がりはタイトル以外に無いっぽいんだけど和洋ではなく中洋折衷みたいな雰囲気の曲が続いたあと、いよいよお待ちかねのM10とM11ががが!High noonはまぁ「暗カッコイイ」を目指したらこんなかんじになりそうかなーと言うイメージでつかめるんだけど、M11のorgan donor(extended overhaul)が熱いと言うか大変陰鬱ですばらしい。タイトルも臓器提供者だしなんか暗そうなパワー全開。

単発曲で良いのはあるんだけど全体通して見るとパワーが無いっちゅうか面白味に欠けるのでキャッチーさは無い。このジャンルに関して聴きなれたらまた変わってくるんだろうけど、クロスオーバーとか好きでもいきなり聴きはじめる人には向かないかんじ。そう言えば公式の試聴コーナーにRage against the machineの元ボーカルであるザック・デ・ラ・ロッカと作った曲なんかがあるんだけど、もんのすんごい久しぶりにザックの名前と歌声を聴いてDj Shadowとは関係ない部分で感動してしまった。おれはレイジ大好きだったのにお前が抜けたせいで大変なことになっちまったんだよこの野郎!まだ生きてたのかおまえみたいな。

Dragon Ashドラゴン・アッシュ / Rock

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Rio de Emocion [2005/VICL-61724/#14][Amazon]
前作Harvestから2年で発売されたDAの6枚目のオリジナルアルバム。こないだ先行シングルとしてcrash the windowと夕凪Unionがリリースされた時Yくんに聴かせてもらったんだけどどうもイマイチぱっとせず、なんかmorrowの辺りからDAがピンでやってる曲はつまらなくなってるなぁーとか、Harvestも良かったには良かったと言えるんだけどあれのラストは「サックリマコリー!」だし曲ごとの雰囲気がバラバラでシングル集みたいになってて期待より良くなかったんだけど、新アルバムはその辺の「コラボによる雰囲気のズレ」みたいなのが解消されて実に見事にイメージが固まってて非常に良かった。そう言えばDAのアルバムはviva laの頃から聴いてるけどCDを新品で買うのはこれが初めてだ。周りに持ってる人が何人もいるから全部借り物で済ませてて、今回も買うかどうかで迷ってる時すでにYくんが買ってたのでそれ借りりゃよかったんだけど、彼の評価が中々良いみたいだったんでえいやあと。

上で書いちゃった通りとても統一感のあるアルバムに仕上がっており前回のような寄せ集め感はまったく感じられない。なんとなくスペインっぽいって言うと失笑モノの表現なんだけど、オープニングチューンであるM2 Los Lobosでこれでもかってぐらい盛り上がるクラップ(タップ?)とフラメンコギターを聴いたら一気にRio de Emocionが描くスペインっぽい世界に引き込まれてしまう感じ。メランコリックと言う言葉を使うとなんか分かりづらいので、つまり今作のコンセプトは「哀愁」だからフロアで騒ぐ系のパーティーチューンはないんだけど、M7やM11のようにラテンの血が騒ぐ激しい曲だったりLily of〜やHarvestにおけるそれらの表題曲のようなポジションのM13とか、ちゃんとアルバムコンセプトの枠内に納まってるんだけどそれぞれが非常にユニークではっきりしており、この辺のバランス感覚は見事。毎度恒例のヒドゥントラックも良かったし。

先行シングルで発売された曲があんましキャッチーじゃなくて心配してたんだけど何の事はなく、全体通して聴くイメージが固まれば一曲の重みがズシリとくるナンバーとして消化できるから不思議だ。あとこのアルバムは15時ぐらいからスタートして次の夜明けまでをイメージして作られてんじゃないかなと思った。M6 夕凪Union→M13 朝凪Revivalのようにタイトルがもう象徴的に時系列を表してるってのもあるんだけど、曲の雰囲気とか歌詞なんかを見るとM8辺りで日付が変わってそっからいわゆる深夜の熱狂を経由してゆるやかに徹夜明けの朝方テンションに移っていくイメージ。んー、すばらしい。

そう言えばリーフレット綴じ込みで入ってるビラによると今回のツアーはXbox360 presentsとか書いてあって、DAオフィシャル(http://dragonash.co.jp/)で調べたらライブ情報のとこに「特別協賛」でしっかりリンクまで貼ってあってますます首をかしげた。うむむ、両者の間に一体なんの関係が?と思ったら、実は過去にもXboxロンチ直後にDAのイベントに試遊台置いたりしてて「何の関係」どころの話じゃなかったようで。と言うことは、今回のツアー開始は10/27のZeppTokyoからなんだけど360の試遊台とか置いたりするつもりなんだろう。ウタダだってに任天堂のCMやってるんだし、どうせならTVCMにkj使ってみるとかしてもいいんじゃないかと思ったけど本人がテレビ嫌いだから無理か。