医学とはあまり関係ない話
ペテルスクルスの賭け

医学部って言うと「医学ばっかりやっているのかな」とお思いになるかもしれませんが。
事実違います。

医学部医学科は基本的に6年制です。
留年するともっと延びますけど(笑)。
6年という期間は、大体以下のように分かれます。

一般教育(1年〜2年前期)
基礎医学(2年後期〜4年前期)
臨床医学(4年後期〜6年)

基礎医学とは、解剖学・生理学・生化学・病理学・寄生虫学・細菌学・薬理学・衛生学……など。

臨床医学とは、内科学・外科学・神経内科学・整形外科学・産婦人科学・眼科学・小児科学・精神医学
皮膚科学・泌尿器科学・耳鼻咽喉科学・放射線医学・耳鼻咽喉科学・麻酔科学・口腔外科学
救急医学・腫瘍放射線医学………など(笑)。
もっと細分化できますけど、しんどいので。私が

まあ、いろいろあります。
ちなみに、先ほど挙げた科目は、選択ではないのですよ。
全科目必修です。(1つでも落としたら留年)
臨床に入ると、それなりに忙しいそうですね。
ホームページの更新ができるかどうか心配。
頑張りますけどね。皆さんが知りたいところでもあるでしょうし。ファイト、オー!

で、現在私は一般教育期間にあります。
一般教育というと、まあ、アレですよ。アレ。
数学とか物理とか(笑)。
社会科系科目や倫理系科目で、医師の基本的な常識を身につけたり、
数学・化学・物理を通して、科学者としての知識を養うのもをこの期間。
現実問題、無理ですが(おいおい)。

さて。
やっと、長い長い前置きが終わりました。
今から本題です。


統計学の授業って、面白いですね。
今年初めて受けたんですけど。
はまりそうです。
例えば。

ペテルスクルスの賭け
コインを投げて、表が出る確率を1/2とする。
n回目で初めて表が出たとき、2のn乗円受け取るとする。

具体的には、コインを投げて、1回目が裏、2回目が裏、3回目が表だと、2の3乗で8円もらえる。

表が出たら、このゲームは終了する。
この時、このゲームで受け取れるお金の期待値は、

2×1/2+4×1/4+8×1/8+………
=1+1+1+………

つまり、無限。
そう、このゲームはたとえ何百万、何千万と金を積もうが、
絶対にもうかるはずのゲームなのだ。
期待値、無限。
これで小説が一本書けそうなくらい、ロマンチックなお話。

他にも、この問題。
「円に任意の弦を引くとき、その弦の長さが円の内接三角形の一辺より長くなる確率は?」
私は1/2だと思いました。
でも、1/3とも考えられる。
0とも考えられる。
もちろん、問題がおかしいからこのように答えが色々出るわけですが。
面白い問題ですね。


5教科6科目。
高校の時に習いながら、「この知識は一生役に立たない」とか思うかもしれません。
私も思ってます。英語と国語は何かと役に立ちますが。
中学のときに覚えた「三平方の定理の証明法」など、もう一生使わないでしょう。
でも、これらは抽象的な事柄を考える練習のようなものです。
それこそ、「三角形」というものはこの世の中に具体的に存在しません。
本物の三角形というのは、辺の厚さは0で、頂点は大きさ0でなければなりませんから。
ギリシャの哲学者プラトンのイデア論を説明するのに用いられる「三角形のイデア」と似ているかもしれません。

我々は現実世界には存在しない世界についても思考することができます。
目に見えることだけを追っていては、希薄な人生になります。
折角、今の日本では色々な勉強ができるだけの環境が整っているのですから。
数学とか物理とか。
関係ないじゃん、と思わずに。
どこかで関係してくる。

日本外資のCMみたいなオチで(笑)。

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