医師の二つの歓び
基礎医学者による特別講義だったと思います…基礎医学の勧誘です

医師の歓びは二つある。

その1は自分の医療によって健康を回復した患者の歓びがすなわち医師の歓びである。
その2は世のため人のために役立つ医学的発見の歓びである。

今後君が懸命に心技の修養に努め、仏のごとき慈悲心と神のごとき技を兼備する立派な医師に成長したとしよう。
君の神業の恩恵を受けうる患者は何人に達するか?

1人の診療に10分かけるとして、1日10時間、1年300日、一生50年働くとしたら、
述べ90万人の患者を診られる。

多いと思うかも知れないが、日本人口の1%未満、世界人口の中では無視できる値である。

インスリンの発見前には糖尿病昏睡の患者を前にして医師達は為す術がなかった。
しかしバンチングとベストがインスリンを発見して以来、
インスリンは彼らが診たこともない世界中の何億人もの糖尿病患者を救い、今後も救い続ける。

その1の歓びは医師として当然の心構えである。
これのみに満足せず、その2の歓びも是非体験したいという強い意志を培って欲しい。

 

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