目指せ医師国家試験!
話半分くらいで聞いて下さいね。

はじめに

 あなたがこのページを見てしまったということは、
 医師国家試験に対してそれなりに不安や緊張があるのだと思います。
 「90%が受かる試験なんだし、余裕でしょ」と思ってるのなら、
 ここはあまり参考にならないということを前置きしておきます。

 ここでは、国家試験が不安で不安でたまらない人のために、
 少しでも安心して試験に臨めるような情報を提供したいと思います。

統計学的なこと

 では早速、疫学(?)的なことから。

回数 施行年月日 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
102 20.2.16〜18 8,535 7,733 90.6
101 19.2.17〜19 8,573 7,535 87.9
100 18.2.18〜20 8,602 7,742 90.0
99 17.2.19〜21 8,495 7,568 89.1
98 16.3.20〜22 8,439 7,457 88.4
97 15.3.15〜17 8,551 7,721 90.3
96 14.3.16〜18 8,719 7,881 90.4
95 13.3.17〜19 9,266 8,374 90.4
94 12.3.18〜19 8,934 7,065 79.1
93 11.3.20〜21 8,692 7,309 84.1

 前置きでも言っていますが、やはり90%が合格できます。
 94回の試験は厚生労働省の暴挙と揶揄されていますが……。

 公衆衛生でたまに出題されるので覚えておいて欲しいのですが、
 
我が国の医師数は微増傾向ではあります。(現在約25万人)
 しかし、まだ足りない!
という現状です。
 ちなみに、25万人の覚え方は、1年間に約8000人の医師が誕生し、
 一人が平均して約30年ちょっと働くので、かけ算したら大体25万くらいかなーで充分です。

 ま、医師が足りないって現状を厚生労働省が認識してるかどうかは分かりませんが、
 きっと今年も90%合格!ってポジティブに考えましょう。

 で、90%という合格率を聞いてまだ安心できないあなたのために、次の表です。
 102回の国家試験での、現役と国試浪人の差を表しています。

卒業年次 受験可能回数 受験者数 構成比 合格者数 合格率

平成20年3月 1回 7,519 88.1 7,101 94.4

平成19年3月 2回 597 7.0 488 81.7
平成18年3月 3回 173 2.0 97 56.1
平成17年3月 4回 57 0.7 25 43.9
平成16年3月 5回 33 0.4 8 24.2
平成15年3月 6回 20 0.2 5 25.0
平成14年3月 7回 26 0.3 2 7.7
平成13年3月 8回 14 0.2 1 7.1
平成12年3月 9回 13 0.2 0 0.0
平成11年3月以前 10回以上 83 1.0 6 7.2
1,016 11.9 632 62.2
総 計 8,535 100.0 7,733 90.6

 何が言いたいかと言いますと、あなたが今年初めて国家試験を受けるというなら、
 94.4%の確率で合格するということです。
 ちなみに男女別だと女子のが成績がよいです。
 理由は文系の偉い人が勝手に解釈してくれるでしょうからここでは言及しません。
 とにかく、あなたが国試浪人ではなくてしかも乙女であるのなら、まず合格します!

合格に必要な点数

 一般問題と臨床問題は2/3あればよいです。
 必修問題は8割取らなければなりません!

 一般?臨床?必修?何それ、新しい洋服ブランドの名前?って人。
 そんな、たいしたことじゃありません。
 結局、解ける問題を解いて、まあまあの点を取れば受かるわけですから。
 でも、安心したいのなら、細かく知っておきましょう。

 国家試験は、全部で500問あります。
 それを細かく分けると、以下になります。

 
一般問題合計200問中大体130問取ればOK。

 臨床問題合計200問中大体130問取ればOK。
 (ちなみに、臨床問題は無意味に1問3点と扱われています。
  ですから、実際は600点満点で390点あればOKと言うべきかもしれません。)

 必修だけは少し特殊です。
 必修一般 50問
 必修臨床 50問
 必修一般は1問1点(50点満点)、必修臨床は1問3点(150点満点)として、
 合計200点満点中160点(8割!)取ればOK。


 全部OKでようやく合格ですが、落ちるとしたら必修です。
 一般、臨床でどれだけいい点を取っても、必修で8割取れなければ落ちます。
 (もちろん必修が取れても、一般や臨床ができなければ落ちますが、そんな人はいません)
 必修の勉強だけはしておかないと、試験本番でかなり緊張しますよ。
 特に、必修臨床!1問3点なので、かなりドキドキです。

一般・臨床・必修とは

 さっきから呪文のように一般とか臨床とか言ってるけど、結局何よ!
 という方のために、ちょっと具体例です。

 一般問題
 膀胱尿管逆流で正しいのはどれか。
 a 思春期に発症する。
 b 肉眼的血尿を認める。
 c 尿路感染症の原因になる。
 d 排泄性腎盂造影で診断する。
 e 腎機能障害が急速に進行する。
                               答 c
 臨床問題
 38歳経産婦。妊娠41週。陣痛発来と破水とを主訴に来院した。
 入院3時間後の内診で子宮口は6cm開大。胎児心拍数陣痛図で、
 陣痛周期は1分30秒、持続時間は60秒、心拍数基線は160bpm、
 基数細変動は10bpm、遅発一過性徐脈を示している。
 まず投与するのはどれか。
 a インドメタシン
 b 塩酸リトドリン
 c オキシトシン
 d プロスタグランディン
 e 硫酸マグネシウム
                               答 b

 大体、イメージは掴めたと思います。
 簡単に言うと、一般問題は短いです。
 臨床問題は長くて、まず年齢から始まります。(26歳女性、みたいにね)
 こんな感じの一般問題が200問、臨床問題が200問出ます。
 両方とも2/3取れたらOKです。(かたっぽだけじゃダメですよ!)

 あれ、必修は?
 必修も、前述の通り必修一般50問、必修臨床50問あります。
 問題の形式は同じです。
 ただ、必修臨床は1問3点で計算するので要注意です。
 必修臨床で11問間違えると、かなり絶望的です。
 というか、落ちる人は大抵必修で落ちます。

何をいつから勉強する?

 早ければ早いほど、国家試験本番で安心できます。
 2ヶ月勉強すれば合格はできるでしょうが、やっぱり楽勝で合格したいですよね。
 どうせ医者になってからも必要な知識ですし、6年生になったらそろそろ勉強しましょう。

 QBかアプローチか、は友達と相談して決めましょう。
 どっちでもよいです。私はQBを使いました。
 余談ですが、QBをクエバンと言うのはちょっと抵抗です。
 FFをファイファンという感じです。
 でもドラクエはDQとは言わないので、ただ単に慣れの問題だと思います。
 ま、私はQB+イヤーノート派なのです。

 アプローチもイヤーノート対応になったのかな、だとすれば使いやすいでしょうね。
 TECOM模試の解説書とも対応してるので、アプローチがやや有利かも。

 そんなかんじで、じわじわと内科からやっていきましょう。
 どうせ6年生の夏にはマッチングが、秋には卒業試験があるんですから。
 やっておけば試験前も楽しくテレビが見られるってもんです。

 消化器、血液、腎、内分泌、循環、神経あたりは早くやっておきたいですね。
 1ヶ月で2冊、3ヶ月で6冊できたらいいペースです。
 神経は量が多く、国家試験にもよく出る上に、少し難しいので、
 TECOMの講座を取ってみるのもいいですね。
 三苫先生の神ぶりが分かります。
 私達は、彼のことをGOD 三苫呼んでいました。
 「はい、じゃあまずは病態生理で切ってみるね」のものまねが流行りました。

 秋になれば、そろそろマイナー科目も考えましょう。
 マッチングでマイナーが出ない病院はいっぱいありますけれど、
 さすがに卒業試験はマイナーが続くでしょうから。
 これもQB+レビューブックマイナーでいいと思いますが、
 私はマイナーに関してはマイナーKids+三苫の通信講座でいきました。
 ただでさえ面倒でやる気の出ないマイナーは、GOD 三苫の御力で強制終了です。
 特に眼科、耳鼻科は分かりやすかったです。
 皮膚科、精神科、整形外科、泌尿器もそれなりに面白かったです。
 マイナーばかりだと飽きるので、産婦人科もいろんな意味で息抜きになりますね。
 MECの松喜先生に癒してもらいましょう。

 冬からは公衆衛生、また内科の力もついてきたでしょうから小児科もしましょう。
 小児科は、今までやってきた内科の復習にもなると思います。
 私はMECの長堀の授業を聞いてました。
 なんだか、この人だけは先生って呼びたくない……。
 だけど、長堀の授業はなかなかよかったですよ。
 テキストもまとまっていたし。テキスト見ながらQBを解きました。
 公衆衛生は、MECの高橋先生の喋り口調に惚れます。
 「だから、そうじゃないって!」のものまねが流行る時期だと思います。
 私は公衆衛生のQBはやりませんでした。
 公衆衛生は一般問題でのウェイトが高いので、
 これを勉強しないのはとてもリスキーなのですが、
 私はもともとコホート研究とか症例対照研究とか得意だったし、
 医療保険と保健と福祉の3本柱だけしっかりと高橋先生に教わるといけると思いました。

 それと、必修QBも片づけないといけません。
 あまりやる気がでないテキストですが、「落ちるとしたら必修!」を合い言葉にやりました。
 ただやるだけではなく、間違った問題には付箋をつけたり、
 「必修ノート」を作って、知らなかったことを書き込むのもいいですね。

 年が明けて、ラスト1ヶ月。
 過去問3年分(できれば4年分)、模試の復習でラストスパートです。
 QBだけでは、brugada症候群とか分からないままですしね。
 MECの直前講座はなかなか面白かったです。
 友達と集まってみんなで見てもよいですね。

 ちなみに模試は、お金をけちることなく、TECOM模試4つ受けてしまったらいいと思います。
 私はさらにMECの模試も2つ受けました。
 それなりのリターンもあったと思います。
 これも、本番で緊張しないためのお守りみたいなもんです。

おわりに

 ここまで色々と書いてしまいました。
 ここまで色々書いたのに、それでも私は本番緊張しました。
 前々日から眠れなかったし、前日はグッスミンを飲んで寝たくらいでした。
 でも、勉強した人は落ちません。
 禁忌踏んで落ちる人もいません。
 3日間くらい寝なくたって、ちょうどいいハンデです。
 受験票と鉛筆、消しゴム、時計だけ確認したら、自信を持って本番臨んでください。
 こんな辺境のサイトまで来て情報を集めてるあなたが落ちるわけがありませんから。

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