医学部を志望する受験生へ
私が医学部入ったときに、まず聞かれました
医学部を志望する君にまず問う。
高校時代にどの教科が好きだったか?
物理学に魅せられたかもしれない、英語が得意だったかもしれない。
しかし医学が大好きだったことはありえない。
日本国中で医学を教える学校はないからだ。
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高校時代に物理学または英語が大好きだったら、
なぜ理学部物理学科や文学部英文学科を志望しなかったのか?
物理学に魅せられたのなら、物理学科の授業は面白いに違いない。
◆
君自身が医学を好むか嫌いかを度外視して、君は医学を学ぼうとしているという事実を受容せねばならない。
国語や社会は医学に関係ないとか文句を言うことは許されない。
医学というものを全く知らずに君はこの道を選んだのだから、これは君の責任である。
ただ君はひたすら勉強するしかないのだ。
君は医学が好きかどうかも分からないのに医学を志すのは、よほど何か大きな動機があるからだろう?
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次に君に問う。
人前で堂々と医学を選んだ理由を言えるか?
万一「将来、経済的社会的に恵まれそう」以外の本音の理由が想起できないなら、
君はダンテの「神曲」を読破せねばならない。
それが出来なければ、早々に志望学部の転向をお勧めする。
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さらに君に問う。
奉仕と犠牲の精神はあるか?
医師の仕事はテレビドラマのような格好いいものではない。
重症患者のために連夜泊まり込み、急患のため休日の予定の突然の取り消しなど日常茶飯事だ。
死に至る病に泣く患者の心に君は添えるか?
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君に強く求める。
医師の知識不足は許されない。
知識不足のまま医師になると、罪のない患者を死なす。
知らない病名の診断は不可能だ。知らない治療を行えるはずもない。
そして自責の念のないままに「あらゆる手を尽くしましたが、残念でした」と言って恥じない。
こんな医師になりたくなければ「よく学び、よく遊び」は許されない。
よく「大学に入ることが終点」と思っている受験生も多いと思うが、
医学生は「よく学び、よく学び」しかないと覚悟せねばならない。