さざなみ初提案
川 部 長 人

 十一月のさざなみの例会で初めて提案を行った。今回の提案では「ICTを活用した国語科学習」について、『モチモチの木』と『話したいな、わたしのすきな時間』(東京書籍三年生)の二つの実践を行った。さざなみの先輩方から「さざなみでは、ほとんどほめられない。大変厳しいことも言われるかもしれない」と言われていたので、発表当日は朝からとても緊張していた。また「さざなみでは、子どもが変わったかということについて追究していく」ということも言われていたので、実践を行うときには子どもがどう変わったかを常に意識しながら行った。

 さざなみの例会に参加する中で、国語科学習でのICT活用の有効性として、自分の考えを電子黒板にすぐに写すことができる「即時性」、カメラ機能などを使って音読練習など「消えていくものを残せる」、ICTを活用することで「子どもが授業に集中する」という三点を考え、実践を行った。『モチモチの木』の学習では「豆太は変わったか?」という考えを交流するときに、バイシンクというアプリを使って発表を行った。バイシンクを使うことで一人ひとりの考えを一覧でき、子どもたちは他の子の考えを聞きたくなる様子があった。また、全員の考えが電子黒板に表示されるので、普段あまり意欲的でない子も自分でしっかり考え提出していた。さらに、アンケート機能を活用することで、友だちの考えの変容についても交流することができた。『話したいな、わたしのすきな時間』の学習では発表練習を行うときに、カメラ機能を使い練習を行った。自分や友達の紹介の練習を撮影した動画を、聞き手の立場から視聴し合うことで、発表する側からだけでは気付くことの難しい、伝えたい大事なところは特に大きな声でゆっくり話すことなどに気付き、修正することができた。

 授業検討会では大きく三点のことについて話が出た。一つ目に「豆太は変わったか?」について、○か×だけでは考えられないのではないかということである。○か×で考えることは自分の立場を明確にし、授業に参加するという点ではメリットがある。しかし、人間として考えた時には○か×の間にグレーゾーンがある。そのようなグレーゾーンを考えることが、物事をより多層的に考えるのではないかということである。

 二つ目に、カメラ機能で撮影したものを教師がどう評価するかである。カメラ機能で撮影したものを子どもたち同士で交流したが、評価の観点を子どもたちと十分に共有できていなかった。全体の前でどうよかったかを教師が示し、文字化して残しておくことが必要であった。また、音声言語は積み重ねが大切である。自分の学級ではどこを意識させるか優先順位を決めて、今後も学習を積み重ねていきたい。

 三つ目に、ノート指導についてである。今までノート指導は板書をしっかり写すことしか指導していなかった。先生方にノートを見てもらったところ、子どもたちの考えが書かれている部分が少ないと言われ、今後は吹き出しなどを使って自分の考えを書けるようなノート指導を行っていきたい。自分の考えがたくさん書かれているノートは、世界でただ一つの自分の宝物なるので、そういったノート指導を目指していきたい。

 今回、さざなみで初めて提案させていただき、国語についてたくさんの学びがあった。何より、子どもたちと国語の授業を早くやりたいという気持ちが高まった。学んだことを生かして、よりよい国語授業を目指していきたい。
(東近江市立能登川南小)