字形を意識して書く(書写)
海 東 貴 利

 二年生書写。文字の外形を理解し、正しく整えて書くことを目標に、漢字の形を確かめて書く学習の時間。文字の大体の形(外形)を考えて書くと、整った文字になることに気づかせるため、文字のまわりを線で囲む学習を行った。この時間は、各自のタブレット端末に教材を送り、画面に映る漢字の外形に線を描くことができるソフトを使い文字の形を考えさせることにした。

@外形を考えて書くと整った字になることを理解する。
 まず、前面のモニターに様々な形で書いた漢字の「目」を表示した。表示した漢字の形は縦長のほか、横長、縦と横が同じくらいの形、上の方が広い形、下の方が広い形、中が広い形など全部で六種類。「整っている漢字はどれでしょう」と児童に問うと、一斉に縦長がよいと答えが返ってきた。「真四角は格好悪い」「ほかの漢字は目に見えない」など、他とどこが違うのか考えてつぶやく児童もいた。続けて、漢字の「四」を同じように様々な形で書いて見せた。「これは横長がいい」「いつも真四角にして書いていた」と予想した通りの反応。
 ここで、「文字の周りを囲むと、その字の大体の形が分かります。」と説明し、文字の形を考えながら書くことにした。マスの中に破線で大体の外形が書かれている漢字書き取りのシートを使って、六種類の外形を、文字を書いて確認した。

A字の周りを線で囲んで外形を確かめてから書く。
 つぎに、各児童の端末へ漢字のシートを送り、タブレット内にあるソフトを使用して文字を囲む線を描かせ外形を確かめることにした。提示した漢字は各種の外形で書ける「月、太、半、図、心、書」である。はじめは、タブレットを活用すること自体に興味があるようだったが、線を描き始めると六種類の外形のどれにあてはまるのかじっくり考えようとする児童の様子が見られた。この学習活動においては、タブレットにある機能の活用が効果を発揮した。書いた線をすぐに消したり書き直したりでき、鉛筆で描くよりも躊躇なく行え、集中力の持続にもつながったようだ。また、各児童のシートを学級の全員に共有配信することですぐに自分の解答と比較することもできた。学級全員のシートをマルチに表示した画面をペアで見ながら外形を確かめさせた。「『書』の外形は上が広いのがよいな」「上が広い外形にするためには、この画は一番長く書いた方が良かったんだ」と線で囲む中で、外形と画の長さの関係性が重要であることに気づくことができた。
 そして、外形を確かめてから、六つの漢字をていねいにノートに書き、文字の形について分かったことを振り返って終わった。
(高島市立安曇小)