▼所属する俳句結社の俳誌の企画に「誌上句会」があります。毎月、課題として漢字一文字が提示されそれを入れた句を投句します。課題の漢字は「花・右・上・西」などです。それほど難しい漢字ではありません。会員は、課題の漢字を入れ俳句を作ります。投句作品の一覧から、好きな句を選ぶというものである。手元の俳誌で「上」では、「日向ぼこうなずくだけの聞き上手」「笑」では、「微笑も言葉のひとつ水温む」が高点句。

▼今月は、課題の漢字が「男」です。ふと、ジェンダーのことを思い浮かべました。「鶯や男生るゝ午の刻」(正岡子規)「昼顔の蔓を跨いで晴れ男」(桑原三郎)の俳句を思い浮かべ、教科書の俳句を調べてみました。光村図書では4年生で「名月や池をめぐりて夜もすがら」(松尾芭蕉)「夏草を越すうれしさよ手に草履」(与謝蕪村)「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る(小林一茶)が教材になっています。

▼飯田蛇笏・高野素十・水原秋櫻子・高浜虚子・中村汀女の作品を採用している。日野草城・鈴木真砂女・星野立子・西山泊雲という俳人の名が並びます。男女の偏りなく中村汀女・加賀千代・橋本多佳子・黒田杏子・黛まどかなど女性の俳人の作品を示すことも大事だろうという感想を持ちました。

▼誌上句会の課題「男」を織り込んだ作品一覧が楽しみです。 (吉永幸司)