個別最適な学びとICT活用の実践
西 條 陽 之

 GIGAスクール構想を受けて、本市でも四年生以上を対象に一人一台タブレット端末が配置された。四月から本格的に運用しているが、主力となるノートアプリが未だ導入されていないので、今は学習支援サービスのラインズeライブラリを活用して各教科における個別学習の推進に力を入れている。学習支援サービスの良い点は、同じ問題でも難易度を選択できるところである。

 五年生での一例として、漢字の成り立ちの学習ではそれぞれの成り立ちについて知り、クイズを通して分類をした後、タブレットでの練習、確認テストを行った。練習問題では、「基本・標準・挑戦」の三段階から問題のレベルを選択できる。(レベルについては教師が指定することもできる。)各児童の取り組み状況は教師用ページから確認することができ、平均点も即座に反映される。これまでプリントで行ってきたことがタブレット上でできるようになり、さらに児童への返しがほぼ同時に終わることになる。平均点を画面に投影し今のクラスの状況を共有できるようにした。子どもたちは、何ができていないのかが明確にわかることで、教師に尋ねたり友達同士で教え合ったりしながら解き直し、満点を目指していた。「今どこまでいった?」とライバルと張り合ったり、全ての問題を満点にした子は小さな教師になったりと、個別に黙々と取り組むのではなく、個別の課題をみんなで解決するという雰囲気があって良いと感じた。テストの点数が全てとは言わないが、数値は学び方の客観的な評価である。確認テスト後すぐに画面に映されたクラスの平均点を見て「もう一回やろう!」「○点上がった!」と自分事として意欲を高めていた。こんな姿が今までにあっただろうか。

 タブレットを活用した学習指導はまだまだ発展途上、模索の最中である。もちろん課題も多くある。しかしながら、これからの社会を生き抜く子どもたちの前でこちらが挑戦しないわけにはいかないので、子どもたちの力につながる実践をこれからも重ねたい。
(大津市立小野小)