音読で学級づくり 「ふきのとう」
川 端 大 介

 2年生で初めての物語文「ふきのとう」を学習した。全7時間で単元を計画し、1時間目は範読・音読指導。2時間目は登場人物の検討。3時間目は短文づくり。4時間目は音読の工夫を考える。5時間目は音読発表会に向けての練習。6時間目は、グループでプレ発表をし、音読の工夫について意見交流。7時間目に音読発表会。

 今年度、音読指導の際に徹底したいことがある。それは「教科書を両手で持ち、立てて読むこと」である。教科書の文字に注目させるために、全員に褒めながら徹底していく。教科書を両手で持つことは基本的なことであるが、なかなか徹底することは難しい。読んでいる時に、手遊びをしてしまう児童。えんぴつや消しゴムをさわってしまい、せっかくの音読の時間を減らしていることも少なくない。
 「教科書を両手で持ちます。持てたら持ちました。」この指示で子どもたちはサッと読む姿勢を作る。初めは形にこだわっているようだが、A児が「みんなが本を持つときにそろった。」とつぶやいた。声の大きさや読む速さ、気持ちを込めて読む等、内容理解のために指導することはたくさんある。A児の発言は「みんなで音読をするぞ。」という意気込みが感じられた瞬間であった。学級全体が音読に慣れることは、声を出すことが当たり前となり、学習の雰囲気をよくしていくことを実感していってほしいと思う。

 「ふきのとう」の登場人物は竹のはっぱ1、竹のはっぱ2、ふきのとう、雪、竹やぶ、お日さま、はるかぜと児童と読みながら確認をしていく。「さむかったね。」「うん、さむかったね。」を「さむそうにブルブルふるえながら、小さな声で読めばいいと思います。」や「よいしょ、よいしょ、おもたいな。」を「ゆっくり、小さく読めばいいと思います。」というように、読みの工夫を一人ひとりが考えていた。音読の工夫を全体で共有した後、全体で工夫をもとに読んでみる。本当にブルブルふるえながら読む児童や、背中をまるめて静かに小さく読む工夫をする児童が現れ、なんとも言えない温かく心地よい雰囲気で学習が進んでいった。きっと、音読を通して「そろえる心地よさ」を感じているようにも感じた。

 児童一人ひとりが「このクラスみんなで声をそろえて読むことって楽しい。もっとみんなで読みたい。」と感じることができるよう、音読の価値を伝え、広げていきたい。音読を土台にして、教材文と関わり、国語力を育てていきたい。
(守山市立立入が丘小)