コロナと学校
高 野 靖 人

 NPO法人「現代の教育問題研究所」が、「教職経験者による教育相談」として京都女子大附属小学校に勤務して4年目を迎える。4名が非常勤講師として週に1日ずつ勤務する。1日勤務が2名、半日勤務が2名である。私は、木曜日で半日勤務。
 ご存知の通り、昨年度末の3月から、新型コロナウィルス感染症の影響で、本年度の4月・5月と 休業が続いた。児童がいなくても他の教員と同じように出勤して、研修等を行っていたこともあったし、管理職の指示で休業していることもあった。
 登校が再開された5月25日から1学期末の8月8日(終業式)までの期間、実際木曜日のみ出勤する私の眼に写った小学校のコロナ対応や児童の様子など記してみたい。

 私が久しぶりに児童のいる学校に出勤したのは、5月28日(木)だった。玄関で、教員1名による体温測定があった。おでこで測る非接触型の体温計である。私も児童と同じく一列に並んで、検温してもらった。
 分散登校で、この最初の週は、児童が登校するのは週1日で、2時間授業であった。だから、教室には4・5名の児童しかいない。密にならないように、バラバラ座っていた、しかも、教室の黒板前にはビニールカーテンがぶら下がっていた。担任の飛沫を避けるためである。教室のドアが外されて近くになかった。もちろん換気を十分行うためである。
 児童を迎えるために準備をされたのだなと少し感動したのだが、次の週に行くと、ビニールカーテンはなくなり、ドアはおさまっていた。話を聞くと、カーテンは光が反射する関係で黒板の見にくい児童がいたからで、ドアは、エアコンを使用する関係らしい。もちろん換気には注意をするとのこと。

 さて、分散登校は週を追うごとに2回登校、3回登校と増えていき6月の終わりには、毎日全員が登校するようになった。
 しかし、それ以後も1学期中は、下学年がまず登校して9時40分から1校時、10時半から2校時を行う。その10時半から、上学年は1校時が始まる。こうした分散登校が、1学期中実施された。コロナを考え、車での送り迎えも許され、時間を決めて運動場が開放される。教員が誘導し、多い時には10台以上の自家用車が運動場に入っていた。
 玄関には「ソーシャルディスタンスの図」として「児童2人の絵とその間2メートルの矢印」があるのだが、学級全員が出席している教室でそうした間隔をとるのは無理である。児童が対話する場面を見ることも少なくなった。といっても、講義形式ばかりではなく、マスクはしているが、活発に発表している授業も多くなった。

 1学期最後の勤務日8月6日の朝、検温をしてくれていた養護教諭に「体温が37度5分を越えた子どもはいましたか」と尋ねると「幸い一人もいませんでした」という答えだった。感染者も出ていない。  しかし、まだ予断を許さない状況である。そして今月の後半には、2学期が始まる。