▼国語科の指導内容の「知識及び技能」に「音読・朗読」が位置づき整理されました。従来は「読むこと」でした。が、「書くこと」「話すこと・聞くこと」の指導事項と関連付けて指導することが重要であるという考えからです。

▼音読・朗読においては、詩の教材は指導の幅が広く子どもにも人気があります。詩を音読する良さは、短いこと・リズム感が快いこと・想像が広がること・個人差があまり生まれないこと・上達の様子が自覚できること等です。加えて声に出すこと。さらに、書くことを加えて考えると、丁寧に視写をすることになります。

▼詩の音読は、子どもの学力の実態を知る手がかりを得ることもできます。本を読む姿勢、本の持ち方、声の大小や呼吸のリズム、発音等、個別にその子の癖や力を知ることができます。

▼音読といえば、斉読があります。斉読をすればするほどマイナスになるという考えを主張された優れた実践家もおられました。その理由は、大き過ぎる声で読む子、やっと聞こえるか細い声で読んでいる子、口を動かさないでじっとしている子等、こういう子には力がつかないというのが理由です。

▼音読は、自分の声を聞いて、考えながら読む活動であると考えておられるからです。「知識及び技能」に整理された音読の役割も見直したいところです。 (吉永幸司)