▼令和元年12月8日の新聞のトップ記事は、「日本『読解力』急落15位」「長文読み書き減要因か」 (読売新聞)であった。経済協力開発機構(OECD)が実施した国際学力到達度調査(PISA)の結果、前回の8位から大きく順序を下げたという報道である。「文部科学省はSNSによる短文のやりとりの増加で、長文を読み書きをする機会が減少をしたことが一因」という解説が付け加わっている。

▼国語学力については、すでに「教科書が読めない中学生」が話題になり、「5分間の時間をあげます」との指示で活動が始まるというタイマーに授業の主役を譲る実態。折々に「子どもが国語を学ぶ」という授業の先にあるものがはっきりしないという課題を持っているので、今回の「読解力」については深刻に受け止めている。特に、「ゆとり」が話題となっていた頃と違って、「平成から令和時代」の中で、教育に対する考え方と指導技術、あるいは、学校現場の環境の変化と無関係ではない。

▼「読解力の問題では、今回はウェブサイトや投稿などインターネットの複数の情報の質や信憑性を評価する内容なども加えられていた」という記事もあった。が、それ以上に、国語科授業の進め方や学習活動にも課題があると思うことが多い。改めて「国語力は人間力」の視点で考えてみたい。(吉永幸司)