巻頭言
12年間、授業研究会を続けてきて
百 﨑 正 俊

 11月1日、私の勤務している寝屋川市立東小学校の国語科授業研究会に、吉永先生が講演会講師として来ていただきました。数年前から是非吉永先生にと思っておりましたが、日程が合わず今年ようやく念願かなって先生に来ていただけることとなりました。

 先生には、本校の1~6年の全学年の授業を参観いただき、講演会では、全クラスの様子を講評していただきました。1クラス5分程度の本当に短い時間しか参観されていないのに、各クラスの様子を的確につかみ授業を見抜く《教育者》としての吉永先生の【眼力】の素晴らしさに圧倒されました。

 1年生では、机の整頓や基礎基本。2年生では、詩での音読やリズム感の大切さ。3年生では、構造的な板書や根拠も持つこと。4年生では、国語の授業がそのまま学級経営になること。5年生では「キーワード」を見つける目。6年生では、子どもによる授業のまとめや振り返り、確かな理解が豊かな表現につながる等、たくさんのご示唆をいただきました。

 又、講演会には、遠く青森・静岡・宮崎県からも先生方が参加されました。アンケートでも、吉永先生のお話が大変よかったとの感想がたくさん書かれており、特に「国語力は人間力」「丁寧」という言葉の大切さがよくわかったとの感想が多数寄せられました。本校は寝屋川市にある小さな1公立小学校です。授業研究会も、12年前、私が教頭だった時、先代の校長先生が当時大変だった学校を「授業で立て直す」という決意で第1回研究会を立ち上げられました。私が先代校長の思いを引き継ぎ、〈継続は力なり〉ということでこれまで自主的に公開してきました。

 本校も若年教員が増え、毎年10人近い教職員の異動もあります。教員の顔ぶれも変わる中、【チー ム東小】として学校全体が同じ方向を向き、私自身も若い先生方と一緒に教材解釈をし、授業を全クラス見に行き、共に反省し喜びを共有しながら、地道に研究を続けてきました。今思うに、研究授業を通して、若い先生方の授業力が伸び、子どもの姿が変わっていくことが校長としての何よりの〈喜び〉となりました。又、そんな先生方や子ども達に出会えたこと、そして、今回吉永先生にご指導いただけたことに心から感謝したいと思っております。
(寝屋川市立東小学校校長)