筆者の説明の仕方の工夫を見つけよう 「アップとルーズで伝える」
谷 口 映 介

 本教材は、「大きな力を出す/動いて、考えて、また動く」(光村図書4年上)を受けての説明的文章の第二教材である。ここでは、主に、①段落相互の関係を考えるとともに、文章全体における段落の役割について考える、②写真と文章を対応させて読む、ことをねらいとしている。これらの力が、次単元の「『クラブ活動リーフレット』を作ろう」において説明する文章を書くことに生かされる。
 そこで、まず学習に向かう目的意識を持たせる工夫をした。ここでは、その工夫と実際の読み方を紹介したい。

1、「説明の工夫秘伝の書」
 『クラブ活動リーフレット』を作ることは、クラブ活動を始めた子ども達にとって魅力的な活動である。「実際に書いてみたい」という思いをどの子も持っていた。では、書くためには、何が必要かとなると、「どんな写真を選べばいいかな。」「どんな組み立てがいいのかな。」と疑問が生じる。そこで、本文を読んで、筆者の説明の仕方の工夫を見つけて、自分が説明する時に生かそうと投げかける。発見した工夫をまとめるものが「秘伝の書」である。

2、対比構造を色分けして読む。
 説明の仕方の工夫を見つけようと、子ども達は既習の知識を総動員しながら読んでいった。①「問い」と「答え」がある。②「このように」でまとめられている。③写真と文が合っている(対応している)は比較的早い段階で気付くことができた。だが、対比構造までは、出てこない。そこで、色分けをして、それらを表にまとめることで整理することにした。まずは、アップで分かること・伝えられることは赤で、同じくルーズでは青で色分けするのである。色分けされていない所は、分からない・伝えられない点である。色分けした文章を【上段:分かること。伝えられること、下段:分からないこと・伝えられないこと】に整理すると、対比構造が明確になる。また、それぞれが「しかし」「でも」で繋がれていることに気付く。加えて、「アップでできないことは、ルーズでできることだ。」と表を見て段落相互の関係にも気付くことができた。
 こうした学習を通して、書きためた「秘伝の書」の振り返りから、は、新たな発見の面白さやリーフレットに生かしたいとの思いが読み取れる。

【振り返りより】
 私が共感したところは、二つを対比しているということです。そうすることで、よりくわしくなると思ったからです。次にえらぶ(注:クラブ活動のこと)の写真をとるときは、比べて説明できる写真をとりたいと思います。
(滋賀大学教育学部附属小)